2008/05/11

ILC NewLine 2008年5月8日号

ILC NewLine 2008年5月8日号  [英文記事]

■特集記事
Fermilab Todayから:Fermilab、CALICEをテストビーム施設に迎える
(From Fermilab Today:Fermilab welcomes CALICE to Test Beam facility)

米国フェルミ国立加速器研究所(Fermilab)にある中間子テストビーム施設で実験装置の設置中、休息をとるCALICE共同研究グループとFermilabの研究者のメンバー。

Fermilabで最も目立つ建物に、新たな入居者が加わった。先月、CALICE共同研究グループのメンバーは、新たに改装された中間子テストビーム施設に、カロリメータを持ち込んだ。グループは、今後2年のあいだ、低エネルギーと高エネルギー粒子ビームを使って、このカロリメータの試験を行う。

「Fermilabはこの共同研究を歓迎しています」と、Fermilabの物理学者Marcel Demarteau氏は述べた。「テストビームラインの再設計を行い、CALICE共同研究グループの要望に応えられるようにしてあります」

リニアコライダー実験の共同研究グループのカロリメータ国際的チームは、これまで、ドイツ電子シンクロトロン研究所(DESY)と欧州合同原子核研究機関(CERN)で、ハドロンと電磁カロリメータのテストを行ってきた。Fermilabのテストでは、低エネルギーのビームでの試験を行っていく。また、共同研究グループのおよそ200人のメンバーは、CALICE関連の技術に携わる米国研究機関の近所で、研究に従事することになる。関連する米国の研究機関は、シカゴ大学、アルゴンヌ国立研究所、イリノイにある北イリノイ大学など、8つである。

カロリメータは、粒子のエネルギーを測定する測定器システムである。CALICEのハドロンと電磁カロリメータは、高い空間分解能で、測定器を通過するそれぞれの粒子のエネルギーを測ることができる。

CALICEカロリメータのテストから最も直接的に期待されるのは、ILCなど、電子-陽電子リニアコライダーの測定器での最適技術の決定への寄与である。しかし、CALICEプロジェクトリーダーのFelix Sefkow氏によれば、波及効果はもっと大きい。

「試験結果は、例えばテバトロン、あるいは、大型ハドロン子ライダー(LHC)のような、現存のものや建設中の、カロリメータ解析とその理解にも役立てられることでしょう」と、Sefkow氏は述べた。

CALICEは、年三回、それぞれ三週間のビーム試験を行うことになっている。ビーム試験以外の期間にはカロリメータを入れ替え、性能比較を行っていく。

現在、CALICEの電磁カロリメータの部分には、シリコンセンサを使った、主に欧州製の測定器が取り付けられている。これはこの秋、日本製のシンチレーターベースのモデルに取り替えられる。ついで2009年には、ハドロン・カロリメータ部分で、現在のシンチレータベースのものが米国製のガスベースモデルに取り替えられる。こうしたテストからの結果は、コライダー実験で将来どの技術が採用されるべきか決めるのに役立てられることとなる。

「CALICEは、ILCでのカロリメータ開発を横断的に促進するものです。測定器の設計開発には、こうしたビーム試験を踏むことが不可欠です」と、Erik Ramberg氏(中間子テストビーム施設のリーダー)は語る。

[英文記事]

■世界の各地より
スピンメディア対策専門家
偏極生成と偏極解析の専門家の初顔合わせ
(Spin doctors

Polarisation and polarimetry experts meet for the first time

理論家と実験家は、必ずしもいつも意見が一致しているとは限らない。しかし、意見が割れていないものがひとつあり、それはスピン偏極についてである。スピン偏極とは、ビームの中の粒子バンチを記述する物理量の一つで、粒子群のスピン角運動量の全体的な傾向をあらわすものである。ILCでは、適切な測定器を使った解析を行うことで、偏極を使ってヒッグス、超対称性、ほか、余剰次元のような新しい物理学への手がかりや答えが見つかることが期待されている。偏極ビーム衝突の理解を深めるため、世界では数グループが存在し、およそ30人の研究者が、ビーム衝突の前後で偏極を測る測定器の設計と試作を行っている。この研究者たちが先ごろ、ドイツ、ベルリン近郊にある、DESYツォイテン支局で第一回の『共同研究グループ』会議を行った。


DESYテストビームの偏光計プロトタイプ。

4月会議での、陽電子源と偏極研究グループ。

SLDテストビーム結果をもとに、学位論文を書いたUlrich Velte氏。

ILC計画での偏極関連のベースラインは、電子・陽電子でそれぞれ、ビーム衝突前と後の二台、全部で四台の偏極測定装置を想定している。ビーム偏極度としては、電子に80%と陽電子に30%が考えられている。陽電子源と偏極ビームの研究者たちが一日オーバーラップできるように会議が組織されたのは、陽電子側については、この仕事は偏極陽電子を生成できるよう陽電子源と不可分に結びついているためである。

「国際共同設計チーム(GDE)のプロジェクト・マネジャーMarc Ross氏が会議に出席し、GDEの計画について話すと同時に、偏極測定装置関連の技術とコストの理解を深める手助けをしてくれました」と、Jenny List氏(DESYハンブルグの偏極解析の専門家)は語る。「上流か下流のいずれかの測定器を省略してはどうか、という話がありますが、私たちは、偏極測定は衝突前後からの結果を比較してはじめて意味をなすものだ、ということを指摘しました。これについては、非常に面白い議論をすることができました。」スピン回転装置の調整のため、バンチのスピン測定は測定器側の人たちだけではなく、加速器を運転する人々にとっても重要なことである。

米国スタンフォード線形加速器センター(SLAC)には、この話題には欠くことのできない、経験を積んだ研究グループがあるが、彼らはツォイテンに来ることができなかったた。そこで、主催者は時間割を数時間ほど後ろにずらし、ベルリン時間午前11時に開始、午後8時に終了することにして、米国西海岸と数時間の電話会議を行うことができるようにした。かつてのSLD実験で使われたSLACの偏極測定器は、いまはハンブルグに常駐し、昨年後半のテストビーム運転で実験セットの検証試験を行い、有望な結果を得ている。

最終収束系の偏極測定器は、コンプトン散乱-レーザーからの光子一個がビームバンチの電子一個にぶつかってこれをはね飛ばす―と呼ばれる現象を利用している。『コンプトン散乱された』電子は一回のバンチ対レーザーの交差ごとにおよそ1000個発生し、これらは数台の偏向磁石で構成するシケインとよばれる特殊なビームラインに導かれる。シケイン中での電子軌道の曲げ角は電子のエネルギーで決まるものである。シケインを経たあと、電子は内側が鏡面になっているガス管を通り、そこで青白いチェレンコフ光を発生する。チェレンコフ光はガス管内の鏡面で反射されながら最下流部に到達し、そこで検出測定される。

最終収束系上で、上流の偏極測定器は、衝突点の上流約1.8キロメートルに、下流のものは衝突点のちょうど数十メートル下流に設置される。技術的には、下流測定器(SLACチームが運転)のほうがずっと難しい。これは、衝突後のビームが非常に大きな広まりをもつためで、偏極測定器にかけるまえに強い電磁石でビームを再収束しなければならないからである。

これらのグループの次の研究ステップは、測定器を組み直してもう一度テストビーム試験を行い、データを調べることである。ILCでの偏極測定器は、従来型に比べて少なくとも二倍の性能をもつ必要があるのである。

[英文記事]

■ディレクターズ・コーナー
第3回ILCスクール:応募は早めに!
(Third International Accelerator School for Linear Colliders: apply now)


Barry Barish氏

次世代の加速器研究のための人材を発掘し、教育するのは、私たちの分野の将来にとって決定的に重要なことである。加速器スクールは、次世代研究者にこの分野を紹介し、先端教育を提供するうえで中心的な役割を果たしている。ILCには、加速器物理学で最も難しい問題に取り組む多くの非常に優秀な加速器物理学者がいる。したがって、私たちの研究に近いテーマを扱うこのスクールを、私たちが後援し、組織するのは自然なことと言える。これまでGDEは、成功裏に2回開催されたスクールを後援し、優先的に講師を提供してきたが、このたびは2008年10月19-29日に米国イリノイ州オークブルックで開催予定の「第三回ILCスクール」の準備を行っている。参加応募の締め切りは5月15日。非常に価値ある経験であることには太鼓判を押せるこのスクールへ、興味を持つ学生諸氏の応募を奨励したい。


第3回ILCスクールは、米国イリノイ州オークブルックで開催予定である。

加速器と加速器物理学は、医療をはじめとする幅広く多くの応用分野で、しだいに重要な役割を演ずるようになっている。しかし、歴史的に、加速器開発や加速器物理学者の教育は、主に世界の素粒子物理学コミュニティがおこなってきた。新しい加速技術の開発とそれらの次世代加速器への適用は、世界の高エネルギー物理の研究所や大学の研究プログラムの中心課題としてこれまで行われてきたし、今後もそうであろう。

では、若手研究者はどのようにして加速器物理学者になるのか、また、どのような教育を受けるのか?加速器物理学で博士号を取得できる大学はわずかである。そのため、加速器物理学者は物理の他の分野から、例えば実験素粒子物理学からの転向者である。世界の大きな素粒子物理学研究所は、一般に若手研究者が加速器物理に携わることを奨励し、そのための機会を提供したり助言を行ったりしているが、多くは独学にたよっている。こうした中、加速器スクールは、非常に重要なアカデミックな役割を持っている。


現在、北京大学で超伝導RF研究所で研究をしている2人の元生徒。

2007年のILCスクールの参加者たち。

ILC加速器スクールは、短期間ではあるが、集中的な学習経験を提供する。前回のスクールは、2007年10月にイタリアのシシリーにある、エレセで開催され、世界中からの243人の応募者から選抜された70人の学生が参加した。旅費・滞在費は、すべてスクールが提供した。スクールのカリキュラムは、およそ12名の講師による専門トピックに関する短期コースであった。今度の10月に開催予定のスクールは、加速器物理学の大部分の領域を網羅するもので、これらはみな、リニアコライダーのような大加速器プロジェクトで必要となるものである。超伝導RF加速技術、ビーム源、ビーム力学、ビーム収束、その他関連した話題である。コース中は宿題が出され、また修了試験がある。私たちはスクールに参加した学生が、互いに交友を深め、刺激しあい、キャリアスキルを発展させていく様子を目の当たりにしてきた。

今年のスクールでも、2007年のスクールと同様の方面から優秀な学生が応募されることを期待している。今年のカリキュラムには、ミューオン・コライダーと常温RF加速器についての講義を追加した。特に、リニアコライダーR&Dのための米国予算が削減された状況にもかかわらず、このスクールを支援されている米国エネルギー省(DOE)とFermilabに感謝したい。また原則として、このスクールは世界の各地域の予算支援を得て、受講学生の地域バランスを保つことにつとめている。同様に、講師は世界の研究者グループから選ばれている。講師となる優秀な加速器物理学者は、本業からいくらかの時間を割かなければならないことになるが、こうしたのスクールを維持するのは、私たちにとって非常に高い優先順位を持つ重要な仕事と考えている。

スクールは、ILC GDE、国際リニアコライダー運営委員会(ILCSC)、ICFAビームダイナミクス専門委員会の共催によっている。特に、FermilabのWeiren Chou氏とKEKの黒川眞一氏にお世話になっており、彼らからは様々な触発と尽力をいただいている。

[英文記事]

ディレクターズ・コーナー・バックナンバー

■カレンダー

今後の会議、ミーティング、ワークショップ

LoopFest VII
Radiative Corrections for the LHC and ILC

University at Buffalo, Amherst, New York, USA
14-16 May 2008

ICFA NANOBEAM Workshop
Budker INP, Novosibirsk, Russia
25-30 May 2008

XXII Symposium on Photonics and Electronics for Accelerators and High Energy Physics Experiments
Warsaw University of Technology Resort, WILGA
26 May - 1 June 2008

GDE Meeting - ILC Conventional Facilities and Siting Workshop
JINR, Dubna, Russia
3-7 June 2008

International Linear Collider ECFA Workshop (ECFA 2008)
Warsaw, Poland
9-12 June 2008

Polarized Positron for Linear Colliders Workshop (Posipol 2008)
Hiroshima University, Japan
16-18 June 2008

European Particle Accelerator Conference (EPAC'08)
Genoa, Italy
23-27 June 2008


Upcoming schools

Terascale Monte Carlo School
DESY, Hamburg, Germany
21-24 April 2008

The second Trans-European School for High Energy Physics (TES-HEP)
Buymerhovka, Sumy region, Ukraine
3-9 July 2008

Third International Accelerator School for Linear Colliders (2008 LC School)
Oak Brook, Illinois, USA
19-29 October 2008


= Collaboration-wide Meetings

GDE Meetings calendar

View complete ILC calendar

■ニュース記事より

From Tagesspiegel
8 May 2008
Die Urknallmaschine
...将来、全長31kmの国際リニアコライダーで電子とその反粒子陽電子を長いまっすぐなラインで加速して正面衝突させることが構想されている。何のために?それは、LHCがまもなく明らかにする現象を、いま一つ別の角度から、もうすこし正確に調べるためである。
[ドイツ語記事]

From New Scientist
7 May 2008
社説:国家の科学研究領域での信用はいかにして損なわれるのか
・・・委員会は、科学に対する政治姿勢における憂慮すべき風潮を指摘。

[英文記事]

From Chicago Business
6 May 2008
2008年注目の女性:コライダーの女王
[ビデオはこちらから]

From SLAC Today
5 May 2008
次世代を動かすのを支援する
今月、SLACは次世代線形加速器開発への貢献として、KEKの先端加速器試験装置(ATF)に革新的な電源を38台提供した。
[英文記事]

From nature
2 May 2008
コラム:神話と人間

粒子加速器が世界終末を引き起こすのではないか、という迷信は新しいものではないと、Phillip Ball氏は語る。これは古い神話に発する話で、戯言として一掃するのはなかなか難しい。
[英文記事]

From The Engineer
30 May 2008
コメント:ブラックホールに向き合う
野心的かつ重要な研究への英国の取り組みも打撃を受けた。例えば、CERNさえ観測することができない現象を研究することができるILC計画がそれである。
[英文記事]

■アナウンス

◇学校に帰ろう
10月19-29日に、オークブルックのオークブルック・ヒルズ・マリオット・ホテルで第三回ILCスクールが開催される。参加応募の最終期限(5/15)をお忘れなく。 詳細

■今週のイメージ
コスト管理に向けて
(Stepping up to cost management)

基準設計報告書(RDR)のコストエンジニアなどをはじめとするILC指導部のおよそ十人が、プロジェクトの次フェーズでのコストに関する戦略を定めるべく、現在ハンブルクのDESYで会合を行っている。彼らの主任務はまず全体を見渡すこと。その中には、コスト上昇要因の理解、エクセルの使いこなし技巧の習得(それからハンブルグ港の高い建物に上がること)などが含まれている。会議の結果は今後のNewsLineにて。

2008/05/07

ILC NewsLine 2008年5月1日号

ILC NewsLine 2008年5月1日号 [英文記事]

■世界の各地より
Cosener's HouseでSiDワークショップ開催される
SiD Workshop at Cosener's House

シリコン測定器(SiD)コンセプト研究者グループは、先週、英国アビンドンにある、英科学技術施設会議(STFC)の国際会議場Cosener's Houseで会合を行った。これは、SiDが趣意表明書(EoI)提出されてから初の会合であり、また、北米以外で開催されたものとしても最初のものだ。ワークショップは、英国ラザフォードアップルトン研究所(RAL)とオックスフォード大学の共催で、主に米国と欧州からおよそ65人の参加者が集まった。会議は、粒子フローアルゴリズム(PFA)の状況と、SiD測定器を最適化することに焦点が置かれた。RALの素粒子物理学部長、Norman McCubbin氏は、Cosener's Houseでの開会の挨拶で、SiD研究者グループを歓迎した。続いて、John Jaros氏(米国スタンフォード線形加速器センター:SLAC)は、開会講演でワークショップの目的について概説した。


国際会議場Cosener's Houseの前で議論するSiD会議参加者たち(写真:Steve Worm氏)

月曜の午後は、ハードウェアR&Dと粒子飛程解析ソフトウェアで長足の進歩を遂げたバーテックスとトラッキンググループの議論に充てられた。火曜の午前セッションは、電磁カロリメータ(ECAL)とハドロンカロリメータ(HCAL)関連の現在のR&D報告に始まり、PFAと測定器最適化について話し合われた。Marty Breidenbach氏(SLAC)の最適化とコスト要因についての活発なディスカッションで締めくくられた。

ワークショップには、3人の特別講演者が招待された。Brian Foster氏(オックスフォード)は、国際共同設計チーム(GDE)の概況を説明し、最新の予算状況について報告した。Dieter Schlatter(欧州合同原子核研究機関:CERN)は、現在のCLIC測定器活動と、そのSiDとの共通部分について報告した。Mark Thomson氏(ケンブリッジ)は、PandoraPFAについて素晴らしい概要講演を行い、多くの議論を呼んだ。

ワークショップの目玉は、オックスフォードのイエス・カレッジでの晩餐会であった。夕食は、16世紀に建造された食堂で素晴らしいセッティングのもと供された。食後に、ジョン・アダムズ研究所のKen Peach教授は、ワークショップの参加者に呼びかけた。彼は講演で、現在の予算危機に反応しWilliam Blake氏の「愚者も極めれば知恵者となる」という言葉を引用した。

ワークショップのまとめで、Harry Weerts氏は次のように述べた。「今回は目覚しい結果が得られた最高のSiDワークショップでした。主催者のみなさんにお礼を申し上げます」

[英文記事]

■特集記事
Fermilab Todayより:SCRF会議、互換性の枠組みを確立
(From Fermilab Today: SCRF meeting establishes compatibility framework)

超伝導RF(SCRF)技術の国際会議は一週間にわたり、出席者はSCRF空洞の互換性について議論した。

世界の研究者は、SCRF空洞による次世代線形加速器の要素開発研究に取り組んでいる。求められるのは、より効率的で安価な技術の追求である。

しかし、これは、個々の部品、特にSCRF空洞が、協調して、正しく動作してこそ意味をなす話である。

先週、米国フェルミ国立加速器研究所(Fermilab)で開催されたSCRF会議では、これらの要素部品が協調して正しく動作するために必要な互換性ルールをつくることに焦点が置かれた。

「ここに集まった人たちを結びつけているのは、それぞれの研究所で行われている同じようなR&D活動です」と、ILCの米国RFシステムプログラムリーダー、Chris Adolphsen氏(SLAC)は語る。「ですが、それらを一緒にしようとすると、これがなかなか簡単にはいきません」

世界中からSCRF技術の様々な領域の約50人の専門家が集まり、リニアックを開発する際に適用すべき一連のガイドラインの議論と整備を行った。

「この会議の目的は、一つの方向性を実際に見出すことです」と、ILC GDEの共同プロジェクトマネージャーであり、会議のオーガナイザーである、山本明氏(高エネルギー加速器研究機構:KEK)は語った。「北米、欧州、アジアの三極は、協力しなければなりません。各極のアプローチは非常に異なっています。ですから、単純に統一設計に従うことを皆に強いるのは適切ではありません。研究者たちのモチベーションを低下させてしまうかもしれません。各々の創造性にまかせておく一定の自由度を残す方が良いのではないでしょうか」

GDEの共同プロジェクトマネージャー、Marc Ross氏(Fermilab)は、次のように語った。「各パートナーが対等な立場でやりあう場をもつのは、世界からの研究者がグループとしてまとまるうえ非常に大切なことです。そのように集まることによって、それぞれの研究者が難しいプロジェクトの中での問題解決のための専門知識を共有することができるのです」

「日本にはコンセンサスを構築するプロセスでの『根回し』という表現があります」と、Ross氏は語る。「木を移植するには、まず木の周りを回って、絶対に必要な主根以外の根の手入れをします」

出席者は、互換性設計の採用についての議論を行った。これは、各研究機関や研究者が一定の設計指針の枠内で作業を行い、たとえ設計に変更が加わるようなときにも、世界中の部品が一緒に組み合わさって動作できるようにする、という考え方である。

「このようにすれば、彼らは取り組んでいるものに集中することができるのです。彼らにはより効果的にR&D資金を使うための一組のガイドラインを持つことになるのです」(Ross氏談)

[英文記事]

■ディレクターズ・コーナー
意思決定のこつ:STFフェーズ2 空洞選択
(The art of decision making: STF phase-2 cavity choice)


Barry Barish氏

大規模科学プロジェクトを行ううえでの難題のひとつは、意思決定プロセスである。時期を逸することなく決定を行うのは、大きなチャレンジであり、その巧拙がよい指導部とそうでもない指導部を分ける、とも言える。複雑な技術選択をする場合、十分な情報収集をおこなって科学的な分析をきちんと行わなければならないが、同時に、検討が必要以上に長期におよんでプロジェクトの進捗を遅らせないように注意しなければならない。先ごろ、KEKの超伝導RF試験施設(STF)と呼ばれる試験施設で、そのフェーズ2で設置する空洞の選択に関しての決定が行われた。KEKリニアコライダー計画推進室は、その決定を非常に洞察に満ちたメモで説明し、STF-2には「TESLA型空洞」を採用することを述べている。メモは、選択決定を行った動機と手法を述べ、いくつかの項目ごとに技術的な比較を行い、また、選択に依ってSRFシステム構築、スケジュール、ILCの空洞開発のための将来の作業にどのような影響が発生するかについての分析を加えている。


KEKで開発中のTESLA型9セル空洞。(写真:峠暢一氏)

ILCGDEの活動は、ILCの主加速器技術として、常伝導RFではなく、超伝導RFを採用するという決定から出発している。2004年のこの重要なITRPの技術決定以来、私たちは、様々な技術的決定に直面してきた。その決定には、小さいものもあったし、それほど小さくないものもあった。また、私たちがどのように進むのか、全体設計そのものに大きな影響を及ぼす決定もあった。

KEKのSTFは、試験リニアックで高勾配の超伝導空洞を開発し、運転するために建設された試験施設である。STFフェーズ1の目標は、技術決定(彼らは常温RF技術に取り組んでいた)の後、KEKにおけるILC超伝導RF技術に関するノウハウを高め、特に次世代ILCのための空洞とクライオモジュールの開発と試験を支援する、ということであった。


KEKにあるSTFフェーズ1とフェーズ2超伝導RFテスト施設。

STFフェーズ2はフルRFユニットの開発と試験のためのプラットホームとして計画されており、ILCの主線形加速器用のプロトタイプ・システムとして機能することを意図している。決定に際して微妙、かつ巧妙に考察されているところは、これがILCの技術設計のための実際の決定に先行する、という点である。つまり、STFフェーズ2は、最終的なILC設計からは、詳細諸点において、そしておそらく主要な部分でさえも異なった点をもってくる。しかし、2007年10月11日号2008年2月28日号のディレクターズ・コーナーで紹介した「プラグコンパチブル」アプローチの考え方に則るならば、一部差異はあれ、また、後で空洞を入れ替えるのであっても、STFフェーズ2運転をILCリニアック・システムのプロトタイプ運転として捉えることは可能となろう、ということである。

STF フェーズ2のためにKEKで下された基本的な決定は、GDEのプラグ・コンパチブルの必要条件を満たすTESLA型空洞を採用する、ということである。同時に、より高い勾配に到達する可能性のあるLow-Loss(LL)空洞の開発も続けることとなっている。報告書は、一連の技術的な決定理由を述べている。しかし、重要な点として、満足な勾配がいずれもまだ達成されていないため、加速勾配の性能を基準に選択が行われたわけではないことが注記されている。また、高勾配性能の実証やプラグ・コンパチブル・ガイドラインの遵守など、TESLA型空洞で解決されないままのいくつかの課題を挙げ、次段階の作業の針路も示している。

この重要な決定をし、決定メモとして文書にとりまとめ、そして、決定にとどまらず、この先に待ち受けている挑戦についても論じてくれた、KEKリニアコライダー計画推進室に賞賛の声を贈りたい。私は、困難な技術プロジェクト決定に直面している誰もがこのメモを読むことをお勧めしたい。この決定はテスト施設に関するものではあるけれども、重要な技術選択をし、それを説明するときの、非常に良い手本と言える。

彼らが「時期を逃さずにSTFフェーズ2の目的を達成する」という目標にかんがみ、意志決定に際してどのような姿勢で臨んだのか?それはこのメモから読み取ることができる。彼らは非常に適切に、そして実際的に次のように述べている「R&Dにおいて不測の問題は日常事また相当程度不可避の事ではあるが、予見しうる事態への検討・対処をあらかじめ見越しておくのは、大きな予算を使うグループの責任である」

[英文記事]

ディレクターズ・コーナー・バックナンバー

■カレンダー
今後の会議、ミーティング、ワークショップ

FCAL Collaboration Meeting
Institute of Nuclear Physics, Cracow, Poland
6-7 May 2008

LoopFest VII
Radiative Corrections for the LHC and ILC

University at Buffalo, Amherst, New York, USA
14-16 May 2008

ICFA NANOBEAM Workshop
Budker INP, Novosibirsk, Russia
25-30 May 2008

XXII Symposium on Photonics and Electronics for Accelerators and High Energy Physics Experiments
Warsaw University of Technology Resort, WILGA
26 May - 1 June 2008

GDE Meeting - ILC Conventional Facilities and Siting Workshop
JINR, Dubna, Russia
3-7 June 2008

ECFA 2008
Warsaw, Poland
9-12 June 2008


Upcoming schools

Terascale Monte Carlo School
DESY, Hamburg, Germany
21-24 April 2008


= Collaboration-wide Meetings

GDE Meetings calendar

View complete ILC calendar

■ニュース記事より

From Technology Review
May/June 2008
行方不明者の人名録
そして今、素粒子物理学の実験に新しい動きがある。
[英文記事]

From Technology Review
May/June 2008
新たなコライダー
大型ハドロンコライダーは、宇宙最大の謎を解くかもしれない。
[英文記事]

From Inauka
April 2008
技術革新の敵がここに
週末に次期大統領Dmitry Medvedev氏はモスクワ近郊の科学都市ドゥブナを訪問。

[ロシア語記事]

From The Times
30 April 2008
トップ物理学者は、欠点、欠陥、秘密についてやめるよう求められる
・・・「私たちは、ILC、ジェミニ、太陽地球物理学、それに科学コミュニティの信用を失ったという失敗について相談することに関する英国科学技術施設審議会(STFC)の怠慢を遺憾に思います。私たちは、STFCのピア・レビュー・システムが不十分であると結論します」
[英文記事]

From The Times
30 April 2008
コメント:物理学-官僚の干渉によって危機に瀕するリニアコライダー
英国は多年にわたる努力の成果として、純粋物理学における世界リーダーとしての高い地位を持っていた。だが、それも4ヶ月前までのことで、今は失われてしまっている。
[英文記事]

From BBC
30 April 2008
科学予算カットは『英国名声のカット』を意味
英国下院委員会によると、英国は世界の科学コミュニティにとって「頼りにならなく」て「役に立たない」パートナーに転落した。
[英文記事]

From Physics World
30 April 2008
報告書は、英国の主要な物理学管轄官庁を酷評
・・・報告書によると、これらの決定がほとんどまともな協議なしでなされたことにより、STFCに科学界からの信用を失った。ILCやジェミニからの撤退決定の結果、英国は「頼りにならなく」て「役に立たない」国際的パートナーに転落した。
[英文記事]

From Telegraph.co.uk
30 April 2008
英国下院委員会報告書は、科学予算危機の責任を政府と特殊法人に帰する
・・・そしてBrian Foster教授(オックスフォード大学素粒子物理学部長)は、「私は、特別委員会が現在の問題の原因となった4つの主因を指摘したことに非常に強い印象をうけた」と付け加えた。
[英文記事]

アナウンス
◇arXiv preprints

0804.3917
Threshold production of meta-stable bound states of Kaluza Klein excitations in Universal Extra Dimensions

0804.3534
No Higgs at the LHC

0804.2899
Solving the LHC Inverse Problem with Dark Matter Observations

0804.1700
Pair production of scalar top quarks in polarized photon-photon collisions at ILC

■今週のイメージ
独首相、LHCとCERN所長に会う
(German chancellor meets LHC and CERN DGs)


たくさんの有力政治家がCERNを訪問し、ゴールデン・ブックに署名してきた。しかし、物理をよくわかっていると言えるのは、そのうちごく少数だけであろう。だが、先ごろ火曜日のCERNへの公式訪問は違う。独首相Angela Merkel氏は物理学の博士号取得者で、これこそCERN所長Robert Aymar氏が『科学界のメンバー』として彼女を歓迎した理由である。彼女はCERNの次期所長Rolf Heuer氏(現ドイツ電子シンクロトロン研究所:DESYの研究部長)に会いLHCとATLASを訪問し、在CERNのドイツ人研究者とも言葉を交わした。(写真提供:CERN)

2008/04/28

ILC NewsLine 2008年4月24日号

ILC NewsLine 2008年4月24日号 [英文記事]

■世界の各地より

Fermilab Todayより:Fermilab、空洞試験の成功でマイルストーンに到達
(From Fermilab Today : Fermilab reaches milestone with successful cavity test)


3.9GHz空洞パッケージを横置き試験装置に据え付けるAndy Hocker氏。米国フェルミ国立研究所(Fermilab)でつくられた空洞は、先週の試験に成功した。

3.9GHz超伝導パッケージのRF空洞試験の先週の成功を受け、Fermilabは、最先端の、大電力加速器構成部品をつくることのできるエリート機関に仲間入りした。

自由電子レーザー加速器用にドイツ電子シンクロトロン研究所(DESY)へ出荷するクライオモジュールの組み立て前に、Fermilabでは更に3つの空洞試験を行う必要がある。

超伝導加速空洞は、クライオモジュール(真空断熱容器)に注入される高周波電力を貯めるものだが、DESYとの共同研究によってFermilabはこの分野への進出を果たした。この技術は、高エネルギー物理学および他産業で使われる次世代加速器を支えていくことになる。

「これまで、いろいろ設計に手を入れましたが、ようやく学習過程を修了したと思います」と、横置き試験装置のリーダーである、Andy Hocker氏は語る。「私たちはこの空洞を製造していくことで、新しい技術領域を築いていくことができます」

Elvin Harms氏とHelen Edwards氏がリーダーをつとめる、Fermilabの研究者チームは、数年間にわたり、3.9GHzの空洞の製作・試験を行ってきた。初期には空洞を液体ヘリウムに直漬けにして低電力RF試験などを行った。所要加速電場に達成した空洞はヘリウム容器内に収められ、加速器の高出力運転に必要なチューナー(空洞の共鳴周波数を調整する)や入力カプラー(RF電力の導入をする)の組み付けが行われる。組み上がったものは「空洞パッケージ」と呼ばれる。

金曜日に、空洞はパッケージの一号機はFermilabの横置き試験装置で絶対温度1.8度に冷却され、仕様14MV/mを超えた24MV/mの加速電場を記録した。

ここで製作された空洞の用途はDESYの自由電子レーザーだが、空洞技術自体はより広い応用分野を持つ。「私たちがこれまでに学んできたものの多くは、プロジェクトX用やILC用の空洞の製作に適用できます」と、Hocker氏は語る。

[英文記事]

■特集記事
レディース・ナイト
(It's ladies' night

本記事は、高エネルギー加速器研究機構(KEK)の素粒子シミュレーションの専門家、藤本順平氏の執筆である。藤本氏は日本におけるILCの広報活動に活発に取り組んでいる、

日本で、加速器科学を普及する試みとしては、例えばKEKの一般公開、高校生向けサマースクール、高校と中学校への出張講義、サイエンスカフェなどが行われている。こうした試みのひとつとして、バーで開催する「加速器の夜」シリーズがある(詳細)。4月14日、ILC友の会のメンバーの主催により、「加速器レディース・ナイト」と呼ばれるイベントが、東京の新大久保駅近くのバーで開催された。新大久保駅は、韓国式の焼肉店があることで有名なエリアである。


加速器レディース・ナイト」中の高橋氏と湯浅氏。議長の開田氏と小島氏とともに。

「加速器レディース」は、湯浅富久子氏(KEK)、西山実穂氏(信州大学)、高橋理佳氏(ILCアジアコミュニケーター)からなり、このイベントのために暫定的に結成されたものである。湯浅氏は物理学者で、GRACEチームのメンバーである。GRACEとは、ファインマン図を作り出して、大型ハドロンコライダーやILCで素粒子プロセスの断面積を計算するコンピュータープログラムである。彼女は、KEKのネットワーク・セキュリティの責任者でもある。西山氏は、信州大学の博士課程の学生であり、ILCのために提案中の測定器のひとつ、ILDのためのカロリメータR&Dを行っている。高橋氏は、ILCアジアコミュニケーターで、このニュースレターのライター、編集者の一人である。

「ILC友の会」は日本でのILCプロジェクトを応援しようと、岩崎悦子氏と小島志乃氏が最近立ち上げ、ウェブ上で活動しているグループだ。彼女たちは見学ツアーの参加者としてKEKを訪問したときにILCのことを初めて知り、ILCが挑戦しようとしている科学にも魅了されたのだ。「私は、SF小説やSF映画の大ファンなのですが、ILCがそのSFの世界を実世界にしてくれることを期待しているのです」と、岩崎氏は語る。友の会の会員数は、現在およそ60名。このイベントが、友の会の最初の公式活動となった。イベントの司会もこれまた女性であった。日本のアニメやマンガといった「オタク」文化に対する造詣が深いことで有名な小説家、開田あや氏である。彼女は、これまでにたくさんの『加速器の夜』を手がけてきた。「今回は、加速器そのものについてよりも、物理学者についての話が多くなると思います」と、開田氏は冒頭に述べ、イベントが始まった。

最近のテーマは、男女平等な社会であった。KEKの女性科学者はわずか5%に過ぎず、欧州の研究所と比較してもその割合は低い。湯浅氏は、女性物理学者の日常生活について話した。彼女の夫もまた、KEKの物理学者である。「私たちは、いわば共同生活者なのです。たいてい食堂でランチ会議をして、一日の予定について話し合います。家事は分担しています。たとえば私が料理をして、彼が食器を洗う、という感じです」家事の分担は、それほど特別には聞こえないかもしれないが、日本ではまだそれほど一般的ではない。「食器を洗うといっても、実は食洗機を使うのですが。と言っても、彼は物理学者として、戦略的で系統立てられた方法に基づいて、食洗機に食器を格納しているようです」と、彼女は述べた。

この「トークショー」のもう一つの目玉は、若い女性物理学者のILC関連研究の内容について、であった。西山氏は、KEKの富士実験ホールでカロリメータの性能を研究するためのビーム実験について説明した。もちろん、彼女は最初に、カロリメータが何であるかについて説明しなければならなかった。ここで、開田氏がたとえ話として出したのが、「セントラルトラッカーを飛んでいるジャガイモ」というイメージ。トラッカーとカロリメータとの境には、マッシュ・ポテトを作るための高性能裏ごし器が設置してあるようなものである、というのだ。裏ごし器の後に置かれたカロリメータは、きれいにマッシュされたジャガイモを、できる限りたくさん回収して、もともとの質量がどのくらいあったのかを計測する。これが、素粒子のエネルギーを測定するカロリメータの原理である。このたとえ話を使うと、西山氏はいくつかの「裏ごしのパターン」をテストして、最良の設計を決定する実験をしていることになる。

開田氏は、わかりにくいコンセプトを噛み砕いて伝える素晴らしい翻訳者だ。たとえば、物理学者が、スーパーカミオカンデにおける、太陽ニュートリノ観測とK2K実験について議論したとき、彼女は、すぐさま、太陽からのニュートリノを『天然の魚』、KEKからのニュートリノを『養殖された魚』と説明した。日本は魚を食べる長い文化があるため、日本人は『天然』や『養殖』といった言葉にピンとくるのである。

最後のテーマは、研究所の文化的な違いであった。高橋氏は、以前勤めていた職場と比較し、KEKでは研究者が組織構造の中で大変自由であることを知って驚いた、という。これにはいい面もあるし、悪い面もある。研究者は、あらゆる権威に縛られてはならない。これは、物理学者の基本的な伝統である。一方で、巨大プロジェクトを達成するためには、組織内での一貫性が重要である。

観客たちは、加速器科学や普段はあまり語られることのない話を楽しんでいたようだ。日本の物理学者は、象牙の塔にこもっていると言われている。このようなイベントを通して物理学者の人間性を感じることは、物理学に親しみを感じてもらうことに役立つ。高橋氏は、物理学者はとても話好きであるとも語った。彼女は取材のため、物理学者にインタビューする機会がたびたびあるのだが、当初は30分の予定が、2時間以上経過していることも少なくないという。彼女いわく「加速器の夜の出演候補者は、まだまだたくさんいる」。次回のイベントは、5月に予定されている。

[英文記事]

■ディレクターズ・コーナー
科学の価値
The value of science)


Nick Walker氏

今号のディレクターズ・コーナーは、国際共同設計チーム(GDE)のプロジェクト・マネージャーNick Walker氏の担当である。

あなたのやっている科学には、どういう価値があるのか?これは、お茶のときに最近よく聞く質問である。質問は、もちろん言葉のうえだけのものであり、私たちは答えを知っているわけではない。しかし、こういう質問が出るということ自体、GDEが技術設計フェーズでの中心課題にコスト問題を据える一つの理由でもある。

「コストを自覚する」、「コストを意識する」あるいはもっと直裁に「コストを削減する」といったスローガンは、ILCに関係する研究者の多くのグループにとって様々な懸念の種として捉えられている。GDEの中で、物理の研究スコープに多大な影響を与える加速器設計上の意思決定(エネルギーやルミノシティの変更など)が、非公開のまま進められている、あるいは検討されているのではないか、ということで神経質になっている人たちがたくさんおられると思う。私はここで、そうした心配はご無用であることをはっきりさせたいと思う。

では私たちは何をしようとしているのか?最初に明言したいのは、物理学の研究スコープに影響を及ぼすような設計変更は、研究者グループレベルでの議論なしでは、そしてより大切なことだが、関係コミュニティの完全なコンセンサスなしでは、されるようなことは絶対ない、ということである。しかし、加速器コストを大きく左右する要因や設計上のトレードオフを理解し、よりコスト効率の良い設計を見出していくため、こうした議論を準備していくことは必要である。

工学設計フェーズの計画立案をはじめた当時の基本前提は、基準設計報告書(RDR)の加速器設計はおおむね妥当ではあるけれども、工学設計の詳細にあっては相当のコスト削減の余地があり、特に土木工事と一般施設の分野でそれが顕著、ということであった。このことは、のちほど再立案された技術設計フェーズでも基本的に同じだが、スケジュール延長と予算や人員削減のため、重点領域はシフトすることになった。2010年までの技術設計フェーズ1(TDP-1)では、技術的リスクの緩和、例えばSCRFリニアックの技術開発、とりわけ、加速勾配に関する世界プログラムに注力することになっている。コーネルのCesrTAやKEKのATF2のようなビームテスト施設での研究プログラムやも、TDP-1の重要目標である。

R&Dへの集中はさておき、依然として私たちは、リニアコライダーの設計とコストについて常に注意を払っていかなければならない。私たちの予算や人員は当初の想定より少ないが、RDR設計や関連するバリュー評価を、時間をかけて慎重にレビューすることで、相当の進捗を得ることができると考えている。

私たちのアプローチは、代替設計シナリオの可能性も踏まえつつ、現在の設計とバリュー評価の理解を深めていく、というものである。まず念頭におくのは、物理研究上の条件として成文化された「必要最小限の200-500 GeV」設計である。オーバーヘッドやマージンは、最初は考慮しない。次に、マージンを追加することによってどのようにコストが増加し、また性能が改善するか、ベースラインのうえに様々な物理研究オプションを追加するとコストがどのように増加するかなどについての検討も行っていく。更に、冷却水の問題のように、技術システムのなかでどのような費用効果に改善の余地があるかを追求していく。

2010年まで、私たちは代替設計シナリオの中で有望なものを検討し、上の「必要最小限」加速器におけるコスト-性能の関係を定量的に明らかにしたい。その結果と基幹R&Dの成果によって、2010年には加速器のベースライン設計を適切に更新することが可能になるはずである。この新ベースラインが、以降のTDPフェーズ2で詳細なエンジニアリング研究の基盤となり、2012年に最新のバリュー評価に繋がっていくことになると考えている。

もちろん、話はそれで終わりではない。私たちの目標は、LHCで得られる結果を踏まえ、2012年までにILCの計画提案を提出する準備を整えることである。提案がどのように受け取られるかは、そのときの物理研究のシナリオがどれほどの説得力をもっているのか、に依存する。かくして、私たちは最初の質問に戻ってくる。わたしたちのやっている科学にはどのような価値があるのか?その最終的な答えはまだわからないが、この質問に対する最善の回答を準備する必要があることは間違いない。詳細なレビューを受けるに際して、コスト削減において妥当なあらゆる努力を払ったことを示さなければならない。私たちのコスト削減方策のすべてはそこに収束するわけである。

[英文記事]

ディレクターズ・コーナー・バックナンバー

■カレンダー
今後の会議、ミーティング、ワークショップ

ILC Vertex Detector Workshop
Villa Vigoni, Menaggio, Italy
21-24 April 2008

Workshop on High energy photon collisions at the LHC
CERN, Geneva
21-25 April 2008

FCAL Collaboration Meeting
Institute of Nuclear Physics, Cracow, Poland
6-7 May 2008

LoopFest VII
Radiative Corrections for the LHC and ILC

University at Buffalo, Amherst, New York, USA
14-16 May 2008

ICFA NANOBEAM Workshop
Budker INP, Novosibirsk, Russia
25-30 May 2008

XXII Symposium on Photonics and Electronics for Accelerators and High Energy Physics Experiments
Warsaw University of Technology Resort, WILGA
26 May - 1 June 2008

GDE Meeting - ILC Conventional Facilities and Siting Workshop
JINR, Dubna, Russia
3-7 June 2008

ECFA 2008
Warsaw, Poland
9-12 June 2008


Upcoming schools

Terascale Monte Carlo School
DESY, Hamburg, Germany
21-24 April 2008


= Collaboration-wide Meetings

GDE Meetings calendar

View complete ILC calendar

■ニュース記事より

From Fermilab Today
23 April 2008
Orbach博士、Fermilabの全所会議で講演
Raymond Orbach博士は、火曜日にFermilabを訪問し、研究所の長期計画立案と予算について視察、協議を行った。
[英文記事]

From Daily Chronicle
18 April 2008
議会で、Fermilabに数百万ドルの復活予算の動き
下院議員Bill Foster氏は、Fermilabへの復活予算を数百万ドルを要求。
[英文記事]

From symmetry breaking
18 April 2008
Fermilab中間子テストビーム施設、測定器試験開始

ILCの新カロリメータの研究設備が、2008年4月15日にFermilabの中間子テストビーム施設に設置された。
[英文記事]

From symmetry breaking
17 April 2008 
レーザーによる極端な粒子加速(2008年4月APS)
・・・その代わりに、ローレンス・バークレー・国立研究所のWim Leemans氏は、地下数百メートルの20kmにも及ぶトンネルに建設することが提案されているILCに匹敵するエネルギーを得るBELLA計画について講演した。
[英文記事]

■アナウンス
 
◇ご意見お待ちしています!
重要なマイルストーンに到達した方、研究所の面白い話がある方はいますか?今号のNewsLine、あるいはNewsLine全般に関してコメントのある方はお知らせ下さい

◇ILC Note
2008-042
Pair production of scalar top quarks in e+e- collisions at ILC

◇arXiv preprints
0804.2768
Supersymmetry at and beyond the LHC

0804.1976
Determining the WIMP mass using the complementarity between direct and indirect searches and the ILC

■今週のイメージ
SiDの春
(Springtime for SiD)

先週、ILCに向けたシリコン測定器(SiD)の研究者会合が、英国のオックスフォード近くにあるラザフォード・アップルトン研究所で行われた。60人以上が参加し、SiD測定器の状態と計画についての議論が行われた。詳細報告は今後のNewsLineにて。

2008/04/20

ILC NewLine 2008年4月17日号

ILC NewLine 2008年4月17日号  [英文記事]

■リサーチ・ディレクターズ・レポート
グループづくりと測定器づくり
Designing groups and detectors)


山田作衛氏

測定器趣意書(EOI)の公募に、ILD、SiD、第4コンセプトの3つのグループが応じた。私たちは次のステップに進み、それぞれのグループメンバーから成る共同タスク・グループの形成を始める。

測定器コンセプトグループが自分たちの組織を準備し、測定器研究のための活動を強化していくことは承知している。測定器システムの設計においては、相反する要求に折り合いを付けていなければならない。うまく組織されたグループは、そのような問題をよく解決していけるであろう。

高エネルギー電子-陽電子加速器に用いられ汎用測定器は、大きな立体角を隙間なくカバーすること、高い空間分解能、荷電粒子に対する高い運動量分解能、ガンマ線やハドロンのエネルギーをほぼ完全に測定吸収できること、各測定器上流での不感物質量を最小にとどめること、などの優れた特徴を持つことが求められる。しかし、それらとは相反する制約もしばしば存在する。測定器にはビームが自由に出入りする。このビームからの放射線はバックグラウンド(ノイズ)となる。あらゆる測定器コンポーネントをしっかりと固定するには堅固な構造体が必要である。しかし測定器への電源供給と信号取り出しのためには大量のケーブルを通さなければならない。温度制御が必要な測定器もある。液体ヘリウムやアルゴンを使う測定器も多い。磁場は運動量を測定するうえで不可欠であるが、そのために面倒なことも起きてくる。総コストについても忘れるわけにはいかない。望まれる特性の全てを満たすことはできないけれども、測定器はできる限り強力なものにしたい、と考えている。


電磁カロリメータのプロトタイプ

すべてのグループが、このような状況の中での最適解を探している。問題の解き方は、どの物理に注目するのかに依ってくる。よくよく考えぬかれた妥協点に到達するためには、グループ内の良いコミュニケーションが不可欠である。そのためには、グループをよく組織することが必要だろう。

競合する要求事項を満たすために、新しい測定器技術の開発がしばしば必要となる。たとえば、従来は、下流に位置するカロリメータに対する不感物質量をなるべく小さくするため、ソレノイド磁石に関してより薄い超伝導コイルを使う、という努力が行われてきた。だが、今では別のアプローチとして、従来の光電子倍増管にかわって高感度な半導体測定器を磁場の中に置き、それでガンマ線を測定する、つまり、電磁カロリメータをソレノイドの内側に置く、ということが行われつつある。

こうしたチャレンジのありかを詳細に見定め、有効な測定器の開発目標を正確に把握するには、トータルシステムの設計を考えることを置いて他に方法はない。これらのグループによるチャレンジの見定め、集中開発の実行といったことは、測定器R&Dの共同研究を通して行われることになる。新しい共同タスク・グループは、測定器趣意書(LOI)を提出していくグループ間のそうした協力関係を強化することを目的としている。現在進行中の研究開発作業から、さまざまな成果が得られることだろう。そして、最終的にILCが建設され、実際の測定器が建設されるときにこれらは活かされることになるだろう。

開発された技術のうちのいくらかは、その頃には他の分野ですでに活用されているかもしれない。関係部品の産業界での大量生産や低価格化がそれを通して進む可能性を考えると、これは望ましいことである。

測定器のための趣意書は、検討のためのものであり、この案がそのまま建設に供されるものではない。コライダーのための測定器としては、先例のない手続きである。一方で、私たちは測定器設計と加速器設計の融合を図っていく必要がある。他方で、これは測定器R&Dを進展させる非常に有用なステップであり、こうしたことをして初めて様々な問題を特定していくことができる。

[英文記事]

リサーチ・ディレクターズ・レポート・バックナンバー

■特集記事
CERNの一般公開-素粒子物理学との出会い
(The Open Day at CERN - My first encounter with particle physics)


新任のドイツ欧州合同原子核研究機関(CERN)/大型ハドロンコライダー(LHC)コミュニケーターであるKatrin Voss氏が、4月6日、CERN訪問初日をスタートするにあたって、CERNカフェテリアで朝食に大きなチョコレートクロワッサンをたまたま食べたのは大正解だった。それくらいのカロリーを摂る必要があったのだ。Voss氏は、最近、CERNで開催された一般公開での、トンネル、測定器、キャンパスライフについての最初の印象を「大変ですが、価値ある経験でした」と語る。


Katrin Voss氏と素粒子物理学の出会いは強烈なものだった:ドイツの新しいCERN/LHC広報担当者が、CERN一般公開の印象を寄稿する。
Impressed with high-energy physics high-tech.
高エネルギー物理学ハイテクに感動する。

私は、ドイツの新しいCERN/LHCコミュニケーターとなったが、物理学で学位を持たない、(私は10年間ドイツのマンハイムで、欧州経済研究センターの広報部で働いていた)、CERNの一般公開は、見逃したくない、素粒子物理学、そして「世界最大の素粒子物理学研究所」について学ぶ素敵な機会だった。たくさんの人が訪れたが、プレス・バッジをつけていたおかげで、私はさまざまなイベントや施設を見学することができた。

手始めに、まずATLAS実験を訪れてみた。CERNに来る前、ATLASの写真をいくつか見たことはあったけれども、私は装置の圧倒的な大きさに驚いた。総延長4000kmのケーブルがATLASの中に設置されたているという話は、これまで粒子加速器になじみのなかった人間には考えられない。ATLASコントロールセンターの見学、ATLASの建設工事についての短い3次元画像映画も面白かった。

私はCMSも見学した。ここでは、測定器の階層構造をはっきりと見ることができ、実験ホールも自由に歩くことができたので、ATLASより測定器の様子がよく分かった。幸いにも、CMS研究者が一人ついて、施設周辺を案内し、実験について説明してくれた。私がCMSで特に面白いと思い、また、よく確認もできたのは、LHCは、一つの地層に載るように建設されたので、わずかに傾斜している、ということであった。

これまでLHCトンネルを見たことがなかったので、粒子加速器、特にLHCがどのように働くのかという、根本的なところが私には分かっていなかった。それで、私は明るい色の安全帽を被らされ、他の見学グループと一緒にエレベーターですし詰めになって再び地下に下りてみた。意外なことだが、LHCトンネルとその施設を見たいという人がそれほどたくさんいたわけではなかった。LHCトンネルの入口はガイド・ツアーの始まる待ち合わせ場所のすぐそばだったのだが、大概の見学者はATLAS実験を見るのに最高4時間待ちはしても、LHCトンネルにかいかなかったのである。

その日のうちに、LHC以後のリニアコライダーのための新技術開発をめざすCLICも見てみた。ここで、私は、素粒子物理学の加速器と装置の計画や開発が実際にどれくらいの期間行われるのかを教えられた。私は、CERNコンピュータ・センターも訪れた。私はそこに入る前には、正直「他所のどこかで見たものと似たようなものでは」と思っていたのだが、CERNの施設を見て、他のコンピュータ・センターとは完全に別物であることを思い知らされたのである。

一日を終えて、たくさんの新知識やら新印象やらで私はすっかり疲れてしまい、食後にCERNカフェテリアで同僚と何か飲みたくなった。カフェテリアでは、私たちの周りでたくさんのグループが議論や雑談をしていた。いろいろな国の人たちと会い、その人たちとの対話を楽しむということ:私がCERNと素粒子物理学で気に入ったのはそうしたところなのかもしれない、と気づいたのは、そのときのことだった。

[英文記事]

■ディレクターズ・コーナー
ロシアで会合を行うGDE
(The GDE to meet in Russia)


Barry Barish氏

国際共同設計チーム(GDE)の次回会合は、ロシアのドゥブナにある、ドゥブナ合同原子核研究所(JINR)で開催される。JINRは、加速器関連科学の中で長い歴史を持つ大きな国際研究所である。この会議ではテーマを絞り、ILC建設サイトに関連する話題と加速器設計上の課題のいくつかに取り組むことにした。この会議は、ロシア連邦で開催の最初の会議であり、ILCへのロシア研究者の関与をどのように深めていくかを探る機会でもある。


LCサイトとして可能性があるのは、ドゥブナの近くにモスクワの北。

ILCに必要な一般施設は、膨大なものである。私たちが昨年作成した基準設計では、地下100-150mの総延長72.5kmのトンネル、直径9m以上に及ぶ13本の主縦坑(シャフト)、実験ホール、小ホール(アルコーブ)、それらのための44万3000立方mの地下掘削、総面積5万2700平方mの92棟の地上建物を想定している。一般施設全体は、ILCの総コストの約3分の1に相当している。したがって、いまから数年間の技術設計フェーズの重要な目標の一つは、これらの施設における全てのトレードオフを理解し、できるかぎりコスト効率を改善し、仕様を詰めて公式サイトの募集に備えることである。

ドゥブナ会議は、一般施設に焦点を当てた初の会議である。ここでは、サイト必要条件をどのように確立するか、実際のサイト提案と評価の段取りはどのように行われるようになるのかその可能性について、といった、広範な課題を議論する機会が得られることとなる。実際の戦略は、国際リニアコライダー運営委員会(ILCSC)と密接に連携することになる。ドゥブナ会議では、加速器設計のうち、中央入射器施設のトピック(RTMLのビームシステム、衝突領域への最終収束系(BDS))もカバーする。


JINRは、ドゥブナ(モスクワの北)に位置する政府間の組織である。

一般施設に関して、RDRフェーズ中では議論を割愛したいくつかのオプションについても協議する予定である。一例は、コストの点で有利とされる単一トンネルオプションが、安全性や保守性の観点からどの程度現実的なものなのか、といった議論である。RDRフェーズ中の認識は、よりコストが高くはなるけれども、二トンネル方式の方が安全・保守の観点から有利であり、結果として運転時間が稼げるはず、というものだった。私たちは、この議論を再検討したいと思う。私たちが過去先送りしたもう一つの課題は、浅いサイトで、どのような利点、コスト減の可能性があるのか、ということである。基準設計で私たちが考えた3つのサンプル・サイトはみな、地下約100mに掘削する深いトンネルを採用している。

ドゥブナ会議では、ロシアで提案されているサイトを理解し、非公式評価を行う機会が得られることとなる。ロシアサイトは浅いサイトの『実例』であって、ロシアでの土木工事について当地の専門家と協議する予定である。私たちの何人かには、主要会議が終わった後の土曜日に、ヘリコプターでサイト見学をすることになっている。


ドゥブナGDE会議に向けたワーキンググループの試案。

ドゥブナ会議ではまた、ILCとCLICの双方の一般施設の必要条件について、もう少し詳しい検討を加えることにしている。考えているのは、従来想定してきたのとは異なった、特に、深度の浅いトンネルを建設する場合、また、二つでなく一つのトンネルで主線形加速器を建設するオプションで建設モデルを調べ、コスト・スケーリングのモデルを検討することである。コストを左右する要因(冷却水処理など)にも特に注意を払い、これがサイト構成の選択に関してどのような影響を及ぼすかについても理解を試みたい。

ドゥブナの会議では、ロシアの当局者に会い、ILCにおけるロシアの役割を強化する技術領域について議論する機会がある。その重要性に鑑みて、このたびの会合は、通常のILC物理・測定器研究者グループ会議との共催、という形態からは離れることにした。今回の物理・測定器関係会議は、GDE会議の翌週、ポーランドのワルシャワで、欧州次世代加速器推進委員会(ECFA)ワークショップとして、開催されることになっている。私は、ポーランド会議に出席し、ドゥブナでのGDE活動についての報告を行うことで、ILC物理学と測定器研究者グループとの密接な関係を保っていくつもりでいる。次回の合同会議は、秋にシカゴで開催予定である。

[英文記事]

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■カレンダー

今後の会議、ミーティング、ワークショップ

ILC Vertex Detector Workshop
Villa Vigoni, Menaggio, Italy
21-24 April 2008

Workshop on High energy photon collisions at the LHC
CERN, Geneva
21-25 April 2008

FCAL Collaboration Meeting
Institute of Nuclear Physics, Cracow, Poland
6-7 May 2008

LoopFest VII
Radiative Corrections for the LHC and ILC

University at Buffalo, Amherst, New York, USA
14-16 May 2008

ICFA NANOBEAM Workshop
Budker INP, Novosibirsk, Russia
25-30 May 2008

XXII Symposium on Photonics and Electronics for Accelerators and High Energy Physics Experiments
Warsaw University of Technology Resort, WILGA
26 May - 1 June 2008

GDE Meeting - ILC Conventional Facilities and Siting Workshop
JINR, Dubna, Russia
3-7 June 2008

ECFA 2008
Warsaw, Poland
9-12 June 2008


Upcoming schools

Terascale Monte Carlo School
DESY, Hamburg, Germany
21-24 April 2008


= Collaboration-wide Meetings

GDE Meetings calendar

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■ニュース記事より

 
From Telegraph.co.uk
14 April 2008

Brian May氏(音楽グループ・クィーンのギタリストにして、天文学者)、科学研究予算の削減を批判
・・・そして、次世代(リニアコライダー)からの英国の撤退につながる。何千人もの物理学者は抗議した。その中には、著名な人物(例えば王室天文官・リース卿とスティーブン・ホーキング教授などがいた。
[英文記事]

From BBC
14 April 2008

科学予算削減:財務長官からの一言
・・・しかし、私たちは、ダルスベリーの将来を保証するために非常に努力しているところである。私たちの展望では、ダルスベリーは単なるシンクロトロン源による研究所ではなく、広範な視野をもつ基盤科学研究施設である。
[英文記事]

From Fermilab Today
14 April 2008

物理研究者一日体験
約170人の米国の高校生が、まる一日、エネルギー最先端を探索する機会を得た。
[英文記事]

From CMS Times
14 April 2008

CMSで最初のヒッグスを目撃
物理学界の有名人である、Peter Higgs氏が、期待通りに到着した。側近とともに。
[英文記事]

From Physics World
10 April 2008

ILCからの撤退はピア・レビューに依る
英国政府は、議論になっているILC計画からの撤退決定は、ピア・レビューに基づくものと主張。
[英文記事]


■アナウンス

◇ロシアへのビザ手続き
ロシアのドゥブナにあるJINRで6月に開催されるGDE会議の主催者から、参加登録とビザ情報の締め切りのお知らせです。詳細な情報は、こちらから。

◇arXiv preprints
0804.0618
Probing doubly charged Higgs in e+ e- Colliders in 3-3-1 Model

0804.0268
Light Higgs Mass Bound in SUSY Left-Right Models

■今週のイメージ
内面の美しさ
Beauty within)


電解研磨された超伝導加速空洞の内面がわかる空洞セルの4分の1サンプル。写真提供:峠暢一氏

2008/04/14

ILC NewsLine 2008年4月10日号

ILC NewsLine 2008年4月10日号 [英文記事]

■世界の各地より
加速について学ぶ
Learning to accelerate

陽子のF2構造関数を測定したり、ヒッグズ粒子を探索するのが本職の人は、イベントを生じる成分がどうやって衝突点まで運ばれたかについてあまり疑問に思ったことはないだろう。今回、約30人の若手研究者が、加速器について学んだ。ヘルムホルツ協会のプロジェクトである、この分野では初の試みとなった『テラスケール加速器スクール』がドイツで行われ、物理学専攻の学生は1週間のあいだ、実践的な加速器の専門家へと変身した。


どうやってミスアラインメントのような問題を解決するか?テラスケール加速器スクールの学生は、加速器の仕組みについて頭を悩ます。

3月にDESYで初めて開催された加速器スクールの参加者ら。

ドイツ電子シンクロトロン研究所(DESY)で開催されたスクールは、ドイツ内外の研究機関から、学部3年生からポスドクにいたる、28人の参加者を集めた。加速器の専門家が、午前・午後と、演習と実例を含む実務指向の講演を行い、学生は午前セッション中に出された問題を解かなければならなかった。彼らは、専門ソフトウェアMatlabのライセンスフリー版のフリー・ソフトウェアScilabを使ったのだが、このソフトを使った経験がある学生はほとんどいなかったため、まるで別のコンピュータ言語を習得するように難しいものとなった。

「彼らは、構文(シンタックス)そのものを学ぶのと同時に、加速器の問題にそれを適用しなければならなかったのです」と、主催者であるDESYのEckhard Elsen氏は説明する。「何日かは課題に熱中するあまり、夕方まで演習に取り組んで、公式の晩さん会に遅れている人も何人かいたくらいです」。ある演習では貯蔵リング内での粒子バンチの振る舞いの計算をさせた。貯蔵リングを周回する間、素粒子は安定軌道を保たなければならない。もう一つは、よりILCに特有のものであった。たくさんの四極磁石の設置位置がほんの数マイクロメートルだけずれた際に、電子ビームには何が起こるのか?

モンテカルロシミュレーションで生成された粒子イベントとパートン確率変数の分布関数に慣れている学生にとって、これは全く新しい世界であった。参加者の一人は、加速器物理学について卒業論文を書くことに決めたほど好きになったし、またもう一人は博士論文にSRF空洞を書くことに決めたということだ。ヘルムホルツ協会のメンバーである、ドイツ全域の大学や研究所のリーダー達は、LHCとILCのようなテラスケール加速器に取り組んでいるが、今後のこの論文の仕上がりについて喜んで対処するであろう。それは、協会がめざす達成目標の長いリストのいくつかが達成されることになると考えているからだ。その達成目標には、ドイツのグループを連携し、国際的な素粒子物理学分野でのドイツの存在感を増すことはもちろんのこと、若い才能を育てて、加速器物理を大学カリキュラムにおける、卓越した学科にすることが含まれている。

次回のスクールは、『テラスケールにおける物理学モンテカルロスクール』スクールと銘打たれているが、ここでも、目標達成リストにあと2、3個のチェックマークを付けられることだろう。このスクールは、学部3年生以上を対象とし、物理学分析、モンテカルロ技術とイベント生成器、シミュレーションに関係するさまざまなテーマを中心に、今回と同様、午前中には講義、午後には実務的な演習を行う予定である。

[英文記事]

■特集記事
SCRF技術のための日印共同研究グループ
(Collaboration between India and Japan for SCRF technology)

インドのラジャ・ラマナ先端科学センター(RRCAT)は、レーザー、加速器とその応用の研究開発を行う主要研究所である。インド政府の現行の5ヵ年計画(2007年4月-2012年4月)では、基盤の建設、ニオブ製超伝導RF(SCRF)空洞の開発を行うことが、高エネルギー物理学と加速器関連のプロジェクトの2大目標である。この計画に続き、RRCATは独自の電解研磨(EP)施設をインドに建設したいと考えており、3人の研究者は高エネルギー加速器研究機構(KEK)の新しいEPシステムの立ち上げに参加するため日本を訪れた。日印間には共同研究を行ってきた長い歴史があるが、それらは科学者の個人的な関係に基づいたものであった。今回の訪問は、日印間の公式合意の下、3人の研究者が日本に滞在した初のケースであった。


電解研磨のための日印共同研究グループ。左からSankar氏、Sokhey氏、早野氏、Bose氏。

3人のインドの研究者は、それぞれ異なる分野を専門としている。P. Ram Sankar氏は、化学的な表面処理、K.J.S Sokhey氏は、磁気および超伝導体部門、A. Bose氏は、物質特性と結合技術にそれぞれ取り組んでいる。彼ら皆、KEKの新EPシステムの立ち上げに参加すべく訪れたのであるが、それぞれ別の展望を持っていたのだ。彼らがKEKに滞在中、テスト空洞を使って、3回の電解研磨セッションが行われた。「毎週会議の場で、(日本のことだけではなく)米国と欧州のSCRF設備についてのたくさんの情報も提供されました。それらの情報は、ILCプロジェクトの全体的な状況を知るためにとても重要だと思います」と、Sokhey氏は述べた。また、Bose氏は、「私には、システムの設置方法が印象的でした。あらゆる細かいことに注意が払われていたからです」と語る。

EP施設に加え、空洞の製造についても学ぶ機会があった。新EP施設の設計と建設の指揮をとった、KEKの機械工学センター長の上野健治氏は、「彼らは科学者としてすでにたくさんの知識を持っていましたので、現場での実践経験を積む非常に良い機会になったと思います」と述べた。産業界でエンジニアとしての長い経験を積んできた上野氏にとって、彼らの『純粋な』科学者としての意見が非常に新鮮に映った。「日本の科学者はエンジニアと非常に密接に働いているので、彼らのほとんどは同様に科学的な問題に対してエンジニアのようなアプローチをするのです。インドのみなさんと一緒に働けたことは非常に素晴らしい機会でした」(上野氏)。

彼らの訪問の主目的はEP設備の立ち上げに参加することであったが、それに加えて、彼らは、クリーンルーム設備、クライオモジュール内部の空洞の組み立て、空洞成形技術、縦置き試験設備などに関する情報も収集した。KEKの加速器研究施設の早野仁司准教授は、「今回の訪問は、彼らに非常に役立ったと思います。たくさんのことを、ここで学んでいきましたから。アジア全体としての能力を向上させることは、とても重要なことです」と、語った。3人はインドに戻ると早速、インドのEP施設の設計にとりかかる予定である。

インドの5ヵ年計画のもう一つの重要な目的は、国際リニアコライダーとXFELのような国際プロジェクトのR&D活動に参加することである。昨年4月には、RRCATのTESLA技術共同研究(TTC)への参加要請が承認された。「超伝導分野でRRCATが貢献できれば、と考えています」と、Sankar氏は述べた。

[英文記事]

■ディレクターズ・コーナー
ILC技術設計フェーズの「内部」レビューを行う
Implementing "internal" reviews for the ILC Technical Design Phase)


Barry Barish氏

先週のNewsLineで、新しい加速器諮問委員会(AAP)について紹介した。今週、私はAAPの役割とAAPが私たちのR&Dと設計活動の質を改善すると考える理由について、引き続き説明したいと思う。現在、ILC技術設計フェーズ(TDP)と呼ばれる、次フェーズの準備をする一環として、私たちは基準設計報告書(RDR)作成時に存在した組織構造をじっくりと評価した。その結果、何項目かの重要な変更を行うことに決めた。最大の変更は、国際共同設計チーム(GDE)の内部に伝統的なプロジェクトマネジメント構造を取り入れたことである。私たちが国際リニアコライダー運営委員会(ILCSC)に提案したもう一つの重要な変更には、技術レビューのシステムを合理化することが含まれていた。


AAPの委員長Bill Willis氏

巨大技術プロジェクト 『何度もレビューされ過ぎる』― あるいはそのように見える ―のは、非常に一般的なことだ。このうえなぜもう一つのレビュー・メカニズムを加えるつもりなのか?レビューに備えたり対応したりすることに注ぐ時間とエネルギーは、気が遠くなるものであり、プロジェクトに取り組む効果的な時間が減ってしまう。それでも、効果的なレビューシステムを持つのは、責任と確認を提供するために非常に重要である。そして、TDPではILCプロジェクト諮問委員会(PAC)によってレビューが行われる。しかし、これに加えて、私たちは設計の改善につながる、深い技術的な洞察や提案を提供することも可能なレビューを設けるつもりである。私たちは、AAPが行う新しい「内部」技術レビューシステムによりこれを達成するつもりである。

RDRの作成段階中、私たちは年に4回の会合を行い、ILCSCに報告し、重要な技術レビューを行った、加速器諮問委員会(MAC)と呼ばれる、価値ある高レベル委員会を持っていた。私たちのR&Dプログラム、設計とコスト評価についての責任と確認を行ったという点で、MACレビューは非常に重要で効果的であったが、私たちが求めている徹底的な技術レビューは行わなかったのである。

新システムでは、PACは測定器と加速器研究両方のレビューを行い、ILCSCのために高レベル・レビューの役割を維持する。PACはMACのように、完全な外部レビューを実行し、委員会はILC研究者グループと委員会の外のメンバーから成り立つと意味し、委員会はILCSCに報告を行う。専門家によるこれらの客観的なレビューは、私たちが必要としている確認と責任を提供してくれる。


AAPのコンタクトパーソンは、TDPの主題的な領域に割り当てられた

対照的に、委員会が私に報告する点、そして、レビュアーに内部関係者と外部の専門家が混じっているという点で、私たちが設けているAAPレビューは内部のものである。レビュー中のどんな領域ででも、プロジェクトの近くにいるが、実際の研究には参加していない専門家やメンバーが含まれている。そのうえ、AAPのコンタクトメンバーは、オブザーバーとして関連した技術会議に、継続的に参加している。実際、AAPは、より一般的なテーマ(統合と戦略)をカバーする数人のコンタクトパーソンをプラスして、仙台会議から各領域にプロジェクトマネージャー割り当て、そこに一人のコンタクトパーソンを割り当て、すでにこのプロセスを開始している。

この方法はちょっとした実験であり、私たちは最善の効果が得られるようにこのレビュー・メカニズムをどう実行するかを学ぶ必要がある。したがって、私たちは進行中の仕事を妨げないよう、ゆっくりとこのプロセスを開始している。
私は、異なる領域にコンタクトパーソンを割り当てることは、効果的にモニターし、進行中の問題や研究の近くにとどまることになり、そして、意味のある正式なレビューを可能にすることになる、AAPの重要なステップであると楽観的である。

私たちはレビュアーがタスク・リーダーに継続的なフィードバックを伝える最善の方法はまだ決めていないが、うまくいけば、これは仕事に価値を加える自然な方法で行われることができるだろう。より正式にAAPは、来年始めにプロジェクト全体の徹底的な公式のレビューを行う予定になっている。外部の専門家を何人かこの重要なレビューに取り込むことは、最高の技術レビューを行ううえでも役に立つ。私たちがこれまでにより多くのレビューを行っているという考えは憎むけれども、私はそれでも、この新しいAAPプロセスがプロジェクトに大きな価値となるだろうと楽観的に考えている。

[英文記事]

ディレクターズ・コーナー・バックナンバー

■カレンダー
今後の会議、ミーティング、ワークショップ

Energy Polarization Workshop
DESY Zeuthen, Germany
9-11 April 2008

SiD Workshop
Rutherford Appleton Laboratory, Abingdon, United Kingdom
14-16 April 2008

ILC Vertex Detector Workshop
Villa Vigoni, Menaggio, Italy
21-24 April 2008

Workshop on High energy photon collisions at the LHC
CERN, Geneva
21-25 April 2008

FCAL Collaboration Meeting
Institute of Nuclear Physics, Cracow, Poland
6-7 May 2008

LoopFest VII
Radiative Corrections for the LHC and ILC

University at Buffalo, Amherst, New York, USA
14-16 May 2008

ICFA NANOBEAM Workshop
Budker INP, Novosibirsk, Russia
25-30 May 2008

XXII Symposium on Photonics and Electronics for Accelerators and High Energy Physics Experiments
Warsaw University of Technology Resort, WILGA
26 May - 1 June 2008

GDE Meeting - ILC Conventional Facilities and Siting Workshop
JINR, Dubna, Russia
3-7 June 2008

ECFA 2008
Warsaw, Poland
9-12 June 2008


Upcoming schools

Terascale Monte Carlo School
DESY, Hamburg, Germany
21-24 April 2008


= Collaboration-wide Meetings

GDE Meetings calendar

View complete ILC calendar

■ニュース記事より

From New Scientist
9 April 2008
 LHCで見られるヒッグス
素粒子物理が一般の人には難し過ぎる恐れがあるなら、先週末のイベントではその難解さを和らげる必要がある。
[英文記事]

From Time
9 April 2008
 ヒッグス粒子:加速器の中の幽霊
・・・私たちにとって、ヒッグス粒子が確かに存在するという証拠は宇宙論的慰めを提供してくれるだろう:どんなに珍しい存在であれ、その美しさと統一は宇宙の基礎になくてはならない存在だ。

[英文記事]

From The Times
8 April 2008
 78歳の科学者は、宇宙についての理解が正しかったと証明される日が近いことを望む
・・・ヒッグスボソンを見つけるための2.6億ポンドの大型ハドロンコライダー(LHC)を建設する欧州の素粒子物理学研究所である、欧州合同原子核研究機関(CERN)を訪問した後に話すと、彼はプロジェクトを支える共同研究を称賛し、そのような次世代研究が英国の素粒子物理学周辺の予算危機によって危険にさらされていると付け加えた。
[英文記事]

From Chicago Maroon
8 April 2008
 スイスの加速器を止めるために引用されるFermilab
スイスは平和な中立の長い歴史を持っているが、2人の男はスイスの科学者が宇宙を破壊する装置を造っていると主張している。
[英文記事]

From Associated Press
7 April 2008
 物理学者は、未発見の粒子が見られると言う
捕らえどころのない素粒子を考え出した「父」は、その粒子が米国と欧州で繰り広げられる強力な研究装置を使った競争によって来年にも発見されることをほとんど確信すると月曜日に述べた。
[英文記事]

From Columbia Spectator
7 April 2008
 LHCは世の終末ではない
・・・LHCは宇宙そのものよりもむしろ、宇宙についての私たちの基本的な概念を破壊することは、おおいにありそうである。
[英文記事]

From Telegraph.co.uk
7 April 2008
 Peter Higgs教授インタビュー:CERNで粒子を衝突させ、『神』の粒子を求める
・・・英国の研究審議会である科学技術施設審議会に由来するプロジェクトに貢献し、80000万ポンドの予算不足のため、提案中の「線形」加速器から手を引いた後、LHCでも削減をしなければならないかもしれない。
[英文記事]

From Reuters
7 April 2008
「神の粒子」がすぐに見つかると確信する重要な科学者

英国の物理学者であるPeter Higgs氏は、月曜に、40年前に最初に論じたように、宇宙に質量を与え、生活が可能な、ある力の存在を証明することがもうすぐ可能になると述べた。

[英文記事]

From Tribune de Geneve
7 April 2008
 おお賑わいのCERN
数千もの人々は、ジュネーブとフランスの国境にある物理学研究所で、世界最大の粒子加速器の謎を探索するために列を作った。
[英文記事]

From Physics World
3 April 2008
 予算削減は、英国のLHCでの役割を脅かす
・・・素粒子物理学者は、プロジェクトへの予算削減が必然的なことは認めるが、多くはプロジェクトの優先順位付けられた方法を疑問に思っている。英国がILC(LHC後の素粒子物理学の潜在的な次の大きな加速器)から撤退するという、12月の審議会の突然の決定と組み合わさって、一部の研究者はSTFC管理に対する信頼を失っ