ILC NewsLine 2011年10月6日号 [英文記事]
■ディレクターズ・コーナー
LHC-その性能と見込み
(The LHC performance and prospects)
現在、3.5TeVで行われているLHCの運転は、昨年冬に始まったが、運転中に加速器の性能が徐々に改善され、2.7 x1033 cm-2s-1のピーク・ルミノシティを達成した。9月26日現在、LHCは3.6インバース・フェムトバーンの積分ルミノシティを達成した。これは、2011年の当初の目標値であった「1フェムトバーン」を上回るものだ。加速器は現在、1380バンチで運転中であり、研究者は現在、バンチ強度の向上に取り組んでおり、1バンチ当たり1.55×1011個の陽子を目指している。
■世界の各地より
Fermilab Todayより:テバトロンの最終ビームを祝うスタッフら-9月30日
(From Fermilab Today: Staff and users celebrated the Tevatron's last beam - Sept. 30)
9月30日、米フェルミ国立加速器研究所(Fermilab)に集まった職員と共同研究者たちと、世界中からストリーミング配信に接続した多くの人々が、テバトロンが電源を切る最後の瞬間を見守った。シャットダウンの後皆が集まり、世界を理解する方法を変えた、ほぼ30年にわたる科学的、技術的業績を労った。
「テバトロンは、これまでのあらゆる予想を上回りました」と、40分のシャットダウン手順が始まると、Fermilab所長、Pier Oddone氏は語った。「現時点で、CDFとDZeroという、2つの測定器は、約12インバース・フェムトバーンのデータを記録しました。コライダーは、1秒につき4x1032平方センチメートルのピーク・ルミノシティに到達し、1秒につき数百万回の衝突反応を生成しました。加速器が運転を開始した80年代には、このような数字は全く不可能な数字であると思われていました」
テバトロンは、何度も不可能を可能にしてきた。世界初の超伝導シンクロトロンであるテバトロンは、世界で最も強度の高い陽電子をコンスタントに生成することのできる陽電子源の開発を必要とした。最終的には、当初の設計機能の300倍の運転を行うことが可能となった。
このような業績を達成するために必要とされた創造力やツールは、例えばMRI装置といった応用に結びついた。また、これらの活動に参画した優秀な研究者たちは、LHCをはじめ数多くの物理学実験の設計に携わると同時に、金融や製造業といった多種多様なビジネスに影響を及ぼした。
テバトロンの運転停止は、職員やユーザーにとって、ほろ苦い瞬間であっただろう。多くの職員らが、テバトロンを、世界の物理学研究で最も生産的な加速器にするために、そのキャリアの大部分を費やしたのだから。CDFとDZeroは、少なくともあと2年間は、テバトロンから得られたデータを分析し、週に1枚平均で論文を量産し続けるだろう。
「テバトロンがなくなるのを本当に寂しく思いますが、私たちは前進しなければなりませし、もっと素晴らしい成果を出して行ければ、と考えています。そして、科学の新境地開拓に貢献したいのです」と、Roger Dixon氏(加速器部リーダー)は語った。
Fermilabは、現在、大草原の中央に、世界最強の陽子線型加速器(プロジェクトX)を建設するために、テバトロンを成功させた開拓者精神をもって取り組んで行く。このプロジェクトで、Fermilabは精密物理の新しい時代をリードできるだろう。
ニュートリノ実験、ミュオン実験、K中間子実験といった、Fermilabで進行中の、そして計画中の各種事件は世界中の若手研究者を引きつけている。彼らは、テバトロンの科学成果を上回るという難題に取り組むことになる。
テバトロンの固定標的プログラムによるタウ・ニュートリノの発見は、世界のニュートリノ物理の重要な業績のうちのひとつだ。
「テバトロン・プログラムは、著しい成功をおさめました。トップクォークの発見から、Wボゾン質量の精密測定、Bs混合の観測にいたるまで、多くの限界は、潜在的な新物理理論に進みました」と、Rob Roser氏(CDF共同スポークスマン)は語った。「テバトロンは、世界の素粒子物理学の見方を変えたのです」
CDFとDZeroの2つの実験では、すべてを構成する物質や、標準理論の構成要素についての理解を向上させた。これらの実験は、物質と反物質の非対称に関する最も強力な証拠を観測した。この非対称によっては、現在の宇宙は物質優勢となっている。CDFとDZeroはまた、トップクォークとバリオン族の新しい粒子も発見した。
トップクォークの次の精密測定は、Wボゾン質量と同様に、ヒッグス粒子の検索の基礎を築いた。質量なしヒッグス粒子は、それが存在しないということを知っているような、基礎粒子に与える。ヒッグスが生きているのは、まばたきより短い間なので、テバトロンとLHCの物理学者は、崩壊する粒子の案内測定をせずに、追い詰めることはできない。
「発見には、標準理論を理解する必要があります」と、Dmitri Denisov氏(DZero共同スポークスマン)は語った。「理解するには、計算する必要があり、そして、計算するためには、高精度で粒子を研究する必要があります。テバトロンから得られたデータで、私たちは抜きんでることができたのです」
テバトロンの思い出を共有し、他のものを読むには、テバトロン・オンライン・ゲスト・ブックを訪問してみてください。
[英文記事]
物質の核心にせまるスペイン旅行
(Spanish journey to the heart of matter)
Francois Richard氏が、スペイン・グラナダで、宇宙について、研究者が宇宙をどのように考えているか、そして、宇宙を明らかにする粒子コライダーの役割について講演を行った。
Perrine Royole-Degieux | 6 October 2011
リニアコライダー研究者グループが素粒子物理学の次世代加速器を提案する次のステップを議論した「LCWS11会議」開催中の9月27日、スペイン・グラナダにある、主要な科学博物館のひとつである、Parque de la Cienciasで、Francois Richard氏による、「物質の核心への旅」というタイトルの一般講演が行われ、多数の観客が集まった。講演終了後の質疑応答セッションでは、物質、真空、宇宙、国際リニアコライダーについての、多様な質問があった。
Richard氏は講演中、観衆に疑問を投げかけた。安定な物質はレプトンの第一世代のみから構成されているのに、なぜ、3つも世代があるのだろうか?なぜ、ニュートリノとトップクォーク質量の間で14桁もの違いが存在するのか?これらの数はランダムなものなのか、それとも何らかの決まりがあるのだろうか?余剰次元はあるのだろうか?François Richard氏は、フランス国立科学研究センター(CNRS)LAL研究所の研究者兼前欧州測定器研究組織コンタクトパーソン、かつリニアコライダー物理・測定器国際研究組織の共同議長をつとめている。Richard氏は、高エネルギー物理研究の動機づけとして上記のような質問をした。これらの謎は非常に難解で、思想家に私たちの世界がダーウィン信奉者のような選択の結果であることを示唆するか、地性体重視論に関する面倒を処理することを促すことを強調した。しかし、そのような概念が私たちに受け入れられないならば、とRichard氏は語る。 私たちは自然を定める基本法則を深し求め、宇宙で最小の構成要素に目を向けることでこれらの質問に答えなければならない。神学、法律、数学、物理学、他の科学を極めた12世紀の有名なアンダルシアのイスラム教徒哲学者、Averroesの言葉を引用すると、彼は「自然において、余分なものは何もない」と指摘した。
わかりやすいスペイン語で、彼はLHCの目的、LHCと相補的なもの、リニアコライダーが正確にヒッグス粒子のような新しい粒子を観察して、理解して、多分、科学(粒子質量の起源)の深い問題の一つに答えるのに必要であるかを説明した。
Richard氏の講演終了後、物理学におけるストリング理論の立ち位置や、いつ頃最も基本的な粒子にたどり着くことができるのかなど、いろいろな質問があった。また、次世代リニアコライダーのコストや、素粒子物理学研究の社会への応用などの具体的な質問もあった。
「最終的なILC設計がいつ頃できあがるか」との質問に対してRichard氏は「世界的な活動の結果できあがるもので、また、LHCからの発見にも依存するものだ」と回答した。また、LCWS11ワークショップに言及し「素晴らしいグラナダ市の訪問が、私たちの物質探索を次のステップへと導いてくれることを期待しています」と講演を結んだ:
Jonathan Bagger氏(ILC運営委員会委員長)はLCWS11の最終講演の際に、物理学者が研究者グループ以外の人に会い、素粒子物理学の重要性を説明することを勧めた。「科学的に意義があることだけでは十分ではありません」と彼は語った。「一般のみなさんに関わっていただく必要があるのです」その夜、グラナダで、Richard氏はそのアドバイスの効果を実証したのである。
- 10th ICFA Seminar on Future Perspectives in High-Energy Physics 2011
CERN
03- 06 October 2011 - 13th International Conference On Accelerator And Large Experimental Physics Control Systems (ICALEPCS 2011)
Grenoble, France
10- 14 October 2011 - ILC-HiGrade 4th Scientific Workshop
LAL, Orsay, France
12 October 2011 - 50th ICFA Advanced Beam Dynamics Workshop On Energy Recovery Linacs (ERL 2011)
KEK, Tsukuba, Japan
16- 21 October 2011 - 2011 Low-Level Radio Frequency Workshop (LLRF 2011)
DESY, Hamburg, Germany
17- 20 October 2011 - 2011 IEEE Nuclear Science Symposium and Medical Imaging Conference
Valencia, Spain
23- 29 October 2011 - ILC Source/RTML/BDS+MDI Technical Baseline Review
DESY, Hamburg, Germany
24- 27 October 2011
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from symmetry breaking4 October 2011今週、国際組織は市民に世界中で素粒子物理学の次世代に対する展望を発表した。将来加速器国際委員会は、報告書「Beacons of Discovery」をウェブで発表した。
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from Reuters4 October 2011星の爆発が、世界の見方を変え、そしてどう終わるのかを観測した、3人の天文学者による、宇宙の加速膨張という「仰天するほどの」発見に対し、ノーベル物理学賞が与えられた。
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from Reuters3 October 2011研究者と世界の主要な研究所の幹部らがジュネーブ近郊のCERNに4日間集まり、国際リニアコライダー(ILC)プロジェクトの資源と予算を結合する方法についての検討を行った。
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from The Economist1 October 2011LHCの後継器となる国際リニアコライダー(ILC)は、実現する場合は、日本に建設されることになりそうだ。
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from EuCARDJuly – September 2011CLICの構成要素の製作を確かめる仕事を任された「Infinity」は、現在、CERNの計算サービスの一部である新精密測定機だ。
■アナウンス
2011年12月14-16日に、米SLAC国立加速器研究所で開催される「SiD設計研究ワークショップ」は参加登録受付中だ。ワークショップでは、2012年の詳細ベースライン設計の発表に備え、SiD測定器R&Dと全体的なSiD設計の現状についての検討を行う。また、CLIC概念設計報告書、SiDとCLIC測定器チームの間の将来の協調、そしてDBD以降のSiDの将来についての議論も行う。ワークショップへの参加登録をお願いします。ウェブサイト
■プレプリント
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The Epsilon Expansion of Feynman Diagrams via Hypergeometric Functions and Differential Reduction
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ILCスクワットチーム(ILC squat team)画像: Nicholas Walker氏 スペインのグラナダでセグウェイ・ツアーをする、Eckhard Elsen氏、Karsten Buesser氏、Klaus Sinram氏。 |

















































