ILC NewsLine 2011年11月3日号 [英文記事]
■ディレクターズ・コーナー
グラナダ・リニアコライダー・ワークショップの最前列から
(A front row seat at the Granada linear collider workshop)
Barry Barish | 3 November 2011
アルハンブラ宮殿は、丘上のグラナダ市を見渡すことができるところにあり、赤みがかった宮殿は、スペインにおけるムーア人の存在の800年の歴史を象徴するものだ。この世界史跡は、CERNのLHCに続き、補完しようと、新しい次世代の大規模加速器に取り組み、計画している、数百の科学者に、斬新で訴えかける背景を与えた。面白いことだが、私たちの次世代計画を特徴づける不確かな複数のオプションと分岐点は、LHCから来る科学結果と助言次第である。高エネルギー・フロンティアの次世代の軌跡のこの不安定さは、M.C.の作品を思い出させる。Escherのもつれる循環画像。Escherがアルハンブラ宮殿に対して特別な親和性を持っていたことがわかり、そして、会議の時、Escherがアルハンブラ宮殿へ訪問してから75回目の記念日を祝し、Escher特別展が開かれていた(現在も開催中)。それは、無限の宇宙と呼ばれている。(複数形である点に注意!)
おそらく、次世代レプトン・コライダーの計画をする際に維持しなければならない、寛容さと柔軟性における最高の具体例は、オープニング全体会議の講演中に、CERN所長Rolf Heuer氏の言葉に表れている。彼はLHC結果に関する、明らかなものを述べることから始めた-「ヒッグスを見つけることは発見である!」それから、明らかでもなければならないこと(「標準模型を除いて、ヒッグスは発見でもある!」)を述べ続けた。この単純な観測は、LHC実験が私たちが必要とする答えを見つけて、それによって始まって、次世代のために軌跡を指すことを劇的に示している。幸いにも、Rolf氏によると、私たちには現在「基礎粒子が質量を得るメカニズムをはっきりさせる態勢になっているLHC」がある。
最後に、Rolf氏はリニアコライダー研究者グループに特別なメッセージをおくった:一つにまとまった研究者グループになることは重要であり、これらのプロジェクトが実用的なものに実現するには、プロジェクト提案をする前に取りかかっていなければならない。世界的な計画工程の一部として、ドキュメンテーション(期待を持って統一)は欧州戦略を今後更新していくうえでの情報として準備されなければならない。科学を求めて
(Hungry for science)
ドイツ電子シンクロトロン研究所(DESY)の一般公開には、好奇心の強い見学者が多数集まった。Barbara Warmbein | 3 November 2011
先週土曜に、DESYは一般公開を行い、バス数台分の人々でキャンパスが溢れ返った。この光景を見ると、最近まで、素粒子物理学について語ると、人々は肩をすくめて逃げてしまうと思われていたとは考えられないくらいだ。来場者は、天井クレーンを動かすことに挑戦したり、ワークショップで精密機械を賞賛したり、最近引退したDESYの加速器である「HERA」のトンネルの入口の外で、何時間も根気よく待ち、測定器ホールまで歩いたりした。13000人以上の来場者の多くは「粒子テント」も訪れた。「粒子テント」とは、DESYのLHC、ILCと宇宙粒子物理学の研究を紹介するために特別に設置された展示場だ。
DESYのILCグループの展示は、ILCで行われる物理研究や、タイムプロジェクションチェンバのモデル、本物の検出器付きのミニ陽電子放射断層X線撮影装置スキャナなどの成果が紹介された。また、空洞の代わりにクランク、粒子の代わりにボールを使った体験型線形加速器は、子どもたちに人気で、Karsten Buesser氏によるILCの講演も行われた。一般公開のスタッフとして参加したSteve Aplin氏(DESY ILCソフトウェアの専門家)は、考古学の2人の学生との議論が特に印象的だったと言う。彼らは、話を始めた時には高エネルギー物理学について何も知らなかった。Aplin氏は学生たちに、粒子イベントを再構成するのと、明時代の花瓶を復元するのは、そんなに違わないことだと説明したという。「最初のうちは、出土した破片が明時代の花瓶かどうかはよくわかりません。そのうちいくつかの破片はすぐに明の花瓶だとわかる特徴がありますが、他のものはそうではありません。行方不明の欠片は、私たちにとってのニュートリノのようであり、建材のかけらや石は私たちにとってのバックグランドなのです」。そして、考古学研究では復元された花瓶が手に入り、素粒子物理研究では粒子の衝突で何が起きたのかが解ることになる。
ハンブルグ市にある多くの研究機関が、隔年で行われる市のイベント「科学の夜」に参加している。今年のイベントは、全体で20000人の参加者が集まった。DESYは、イベントプログラムのかなりの部分を担当している。そして、次々と来る参加者に対処するため、夜だけでなく昼にも公開を行っている。正午にゲートを開門し、その12時間後にイベントが終了するのだ。新しい建設が進む現場や新たに始まる研究プログラムがあり、今、DESYキャンパスはとても忙しい場所だ。そのため、多くの人々が、新しいものについて学ぶために、毎回一般公開にやってくる。今年は、新しい試みとして研究テーマ別のウォーキングツアーが提供された。加速器、X線、そして素粒子物理学の各テーマのコースや子供たち向けの特別ツアー、「科学の柱」と名付けられた、ワークショップ、力比べ、コンピュータ・センターや、科学からうまれた様々なサービスを紹介するコースもあった。これらのツアーは、キャンパスを迷わずに回ることにも役立ったし、万一道に迷った人がいても、青いTシャツを着たたくさんのDESYボランティアがサポートした。来場者たちは、この1日でヒッグス機構を理解することは無理だったかもしれない。しかし、研究所で何が行われているのかについては理解が深まったことだろう。
加速器経済の影響を拡大させる
(The multiplying effects of an accelerator economy)
空洞がどの程度「製品」としての市場価値を持つことになるのか予測するのは次期尚早だが、2005年にNiowave社を設立したTerry Grimm氏は、素粒子物理学分野以外にもニッチ市場があると踏んでいる。Grimm氏はもともと、研究所や大学で粒子加速器をつかって研究する物理学者であった。
「これはビッグチャンスです。これらの装置の商業市場が存在すると考えています」と、Grimm氏。加速空洞は、巨大な地下高エネルギー粒子コライダーだけに必要であるというわけではない。生物学やセキュリティ分野などで、ILCと類似した技術を使う卓上型加速器が活用されている。「商業市場で扱うのは、もっと小さな加速器です」。
ILCで使う空洞は、商業的プロジェクトに使うものに比べて要求が高い。ニオブの純度はより高く、加速勾配はより高く、そして、基本構造は複雑な拡張機能を持つ。商業プロジェクトでは、ILCほど多くの空洞を必要としない。しかし、最高水準のニオブ構造を開発する過程で、よりシンプルなシステムをつくるときに役立つことを学ぶことができるだろう。
「この研究は、会社のためになったことはもちろん、技術の進展にも役立ちました」と、Ross氏。
ニオブ空洞を洗浄するNiowave社の従業員。画像:Niowave
Niowave社は十分な市場があるとにらみ、注文が入ったらすぐに、処理・成形を行うことができるよう未精製のニオブを備蓄している。Niowave社は、世界で唯一、これができる会社だ。在庫からすぐにニオブを準備できるということは、「完成品」としての加速器システム開発における便利な第一段階となる。都合の良いことに、同社は、ビームテストを実施できる放射線発生免許も持っている。もし免許がなければ、研究所のビームテスト施設の空き待ちをしなければならない。
Niowave社は、ミシガン州ランシング市の以前は小学校だった場所にある。超伝導加速器の研究開発は、教室、オフィス、ラウンジ 、ボイラー室でさえ行われている。Niowaveという名前は、「ニオブ」と「マイクロ波」を組合せたものだ。画像:Niowave
「米国では、ニオブ空洞は研究所で作られていました。そのため、産業界にとっては新規事業となるわけです」と、Grimm氏。「この開発の過程ではILCが非常に役立ちました。 企業と研究所が共同で働ける環境を作ってくれたからです。ILC研究者グループは、さらにこの動きを後押ししてくれています」
他の領域でも、この「後押し」が影響しているようだ。Niowave社の自由電子レーザー・システムは、貨物専用コンテナの検査に役立ち、搭載された違法な兵器を発見するかもしれない。Niowave社は、電子顕微鏡向けの、超伝導空洞の開発も行っている。高頻度のパルス電子ビームの化学反応によって連続画像を作り出すことが可能となるのだ。研究者は、この技術の製品化も待ち望んでいる。
「電子顕微鏡を開発・使用する科学者のなかには、私たちのところへやってくる人もいます。私たちが彼らから得る知識もありますが、高周波や加速空洞に接した経験はわずかしかありません」、とGrimm氏。「それは、私たちが参入するところです」
超伝導直線加速器の改善に向けた研究が、ランシング市周辺の経済にも影響しているようだ。これは、自動製造技術で最も顕著である。また、超伝導サイクロトロン研究所と次世代レア・アイソトープ・ビーム施設(FRIB)の故郷である、ミシガン州立大学は、原子および素粒子物理学専門知識の拠点である。先端技術製造の最近の再開は、2008年の不況に襲われた領域を活気づけた。
「相乗効果が重要なのです」と、Lansing Economic Development Corporation社のCEOである、Bob Trezise氏は語った。
「これはNiowave社には確かに当てはまります。Niowave社の売上高のほぼ全てが、ミシガン州外の顧客から来ているのです」と彼は語った。「Niowave社で新しいFRIBプロジェクトとFRIBの研究の商業活動を組み合わせることで、ミシガン州中部は、超伝導加速器産業界の世界的な原動力として確立してきました」
他の領域を模索する一方で、Niowave社はILCのための空洞開発を続ける。
「Niowave社は、この技術における中小企業モデルがあることを示すチャンスなのです」と、Ross氏は語った。
- WHIZARD - Event Generation for LHC, ILC, CLIC
DESY, Hamburg
21- 23 November 2011 - TESLA Technology Collaboration (TTC) Meeting
IHEP, Beijing, China
05- 08 December 2011 - 5th Annual Workshop of the Helmholtz Alliance "Physics at the Terascale"
Bonn, Germany
07- 09 December 2011 - 2nd International Workshop on Accelerator-Driven Sub-Critical Systems & Thorium Utilization
Bhabha Atomic Research Centre, Mumbai, India
11- 14 December 2011 - SiD Workshop
SLAC
14- 16 December 2011
今後のスクール
- Sixth International Accelerator School for Linear Colliders
Pacific Grove, California, USA
06- 17 November 2011
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from New Scientist1 November 2011研究者が新しいデータを分析し始めて、LHCは、11月5日から4週間衝突する鉛イオンに転換している。これらの衝突は非常に高密度で熱い物質のポケットをつくり、ビッグ・バンの後の最初の瞬間の状況を再現する。
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from symmetry breaking1 November 2011スタンフォード大学は、本日、SLAC国立加速器研究施設の所長、Persis S. Drell氏が教職員に戻ることに決めたと発表した。
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from Nature28 October 2011今年のヒッグス粒子の探索は、終わりに近づいている。10月30日、ジュネーブ近郊にあるCERNのLHCは、他の基礎粒子に彼らの質量を与えると考えられる、捉えどころのない粒子を探す、陽子-陽子衝突の2011年の運転を終える。
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from Time26 October 2011ハリウッド伝説のAudrey HepburnやKatharine Hepburnのように、同じ名前をしていても、ダークエネルギーとダークマターは完全に無関係である。
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Development of Readout Interconnections for the Si-W Calorimeter of SiD
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Improved jet clustering algorithm with vertex information for multi-bottom final states
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テバトロン賛辞(Tevatron tribute )画像: Cindy Arnold氏、Miles Boone氏、Reidar Hahn氏、Marty Murphy氏 |






