ILC NewsLine 2009年12月17日号 [英文記事]
■リサーチ・ディレクター・レポート
新ステージでの測定器活動
(Detector activities in the new stage)
米国アルバカーキで開催された米国線形加速器物理学グループ(ALCPG)のワークショップ会期中に、測定器趣意書(LOI)の検証とそれに続く議論が行われた。これによりILCに向けた物理学と測定器活動が新たなステージに入ったと言える。年の変わり目に、それ以降の進捗を概観したい。
認証を受けた国際大型測定器(ILD)、シリコン測定器(SiD)の両グループは、詳細ベースライン設計の2012年の完成にむけ、作業ガイドラインに沿って作業計画を立案した。ガイドラインの全項目に関しては、すでに8月のレポートで報告した通りである。人材確保の不確実性や多数のR&D共同研究グループとの議論が必要とされることもあり、立案作業は容易ではなかったが、それでも10月末には作業工程表の第一次案を完成した。この一次案は「希望的観測」を前提とするものであって、現在、測定器グループはその改善吟味を行っているところである。より詳細で現実的な計画は来年初めに完成する。ガイドライン中のいくつかの項目は、共通作業グループからの協力を必要とした。たとえば、新たに測定器グループが研究する物理のシナリオの考察である。物理共通作業グループの作業は速く、物理反応チャンネルの提案されたリストを含む、ILC物理研究2009-10のための基準検討対象に関する報告書を作成した。これらの物理反応は、LOI執筆の際に使われた名称と同じ用語をつかって「ベンチマーク反応」とも呼ばれているが、意図は異なる。LOI時点でのベンチマーク解析は複数の測定器システムの間の性能差異を明らかにするために行ったが、このたび選ばれた物理反応によって行うのは、ILC加速器と2つの認証を受けた測定器の長所と能力を提示することだ。新しいベンチマークには、軽いヒッグス粒子や1TeVでの反応の若干の詳細調査などが含まれている。ソフトウェア・グループはこれらの研究に利用する共通のツールやデータ・セットを作成し、測定器グループによるシミュレーションが効率的に行えるよう、支援を行う。
アルバカーキでは、国際共同設計チーム(GDE)は、ストローマンベースライン(SB)2009と呼ぶ、新しい加速器構成の素案を発表し、物理・測定器チームはこれへの意見を求められた。系統的かつ速やかにこの作業を進めるため、ワークショップ直後に小ワーキンググループが結成され、私は、Jim Brau氏に、各測定器グループ、そして関連する共通作業グループの代表を含むグループのまとめ役を依頼した。ワークグループはまず、測定器グループによるシミュレーションに必要な情報収集のため、SB2009の加速器構成でのビーム条件についての問い合わせ項目をとりまとめ、これをGDEに送付した。並行して、できるかぎり迅速にシミュレーションをおこなうため、測定器グループからの追加メンバーを得て、グループの強化が図られた。問い合わせの大部分に対するGDEからの回答は先週末に得られたので、私たちも近々に作業を開始する。来年初めには、加速器チームに対して何らかの応答ができると思う。ILCプロジェクト諮問委員会(PAC)は、11月に韓国の浦項で会合を行った。この席上、私たちは、この半年の進展と、新フェーズで進行中の活動の進捗について、報告をおこなった。国際測定器諮問委員会(IDAG)委員長、Michel Davier氏は、評価プロセスとIDAGの勧告の報告を行った。PACは、IDAGの速やかで密度の高い仕事ぶりを高く評価した。私は、認証の後の展開について説明した。一つは、上記に述べたように新フェーズでの各グループの作業計画の立案である。この報告の中で私が強調したのは、この活動の成否は今後の予算・人員次第で決まる、という点と、そこに大きな懸念材料がある、と言うところである。PACは問題を理解し、各研究所の所長ら、そして国際リニアコライダー運営委員会(ILCSC)に対して、測定器の研究開発にかんする支援を求める提言を行った。PACはSB2009に関して新設されたワーキンググループを歓迎し、GDEとの緊密なコミュニケーションの維持を促した。
バンクーバーで開催された前回のPAC会議と同様、ほとんどの共通作業グループが、活動現状と成果に関して報告した。Karsten Buesser氏は、測定器サイドから、認証後の加速器測定器インターフェース研究の進捗について述べた。測定器具ループの活動計画に関連しては、Marcel Demarteau氏がR&D共通作業グループの現状報告をおこない、2012年の設計書完成にむけておこなわれている測定器R&Dについて説明した。物理共通作業グループの世話人であるMichael Peskin氏は、欧州合同原子核研究機構(CERN)の大型ハドロンコライダー(LHC)から得られることが見込まれる結果を踏まえつつ、物理学シナリオについておこなっている調査研究について報告した。ソフトウェア共通作業グループの世話人、宮本彰也氏は、新フェーズでの測定器グループのニーズを満たすためにおこなっている準備活動について報告した。Francois Richard氏は、コンパクトリニアコライダー(CLIC)研究の測定器活動との協力に関して現状報告を行った。PACはこれらの全活動を高く評価し、新フェーズにむけて激励の声を寄せた。[英文記事]
リサーチ・ディレクターズ・コーナー・バックナンバー■特集記事
2009年のILC(The ILC in 2009)
一年を振り返るのは、タイム・トラベルに出るようだ。つい昨日のことのように思われる出来事もあれば、わずか数か月前なのに遠い昔のことのように思われたりすることもある。ここでは、今年の重要なイベントを追い、ILCの歩みをあとづけることにしたい。
長い打ち合わせ、夜を徹したシミュレーション作業、文書作成。3つのILC測定器コンセプトのLOIを作成はそうした作業の結果生まれた。LOI提出締切日である3月31日、これら一連の作業から解放された測定器研究者グループにとっては、今年が満足できる年だったことは間違いないだろう。その後、夜を徹しての作業は、IDAGへと引き継がれた。数週間の内に、3つの提案書を読み通し、コンセプトグループを質問攻めにしたのだ。8月17日、IDAGは結論を発表し、ILDとSiD測定器コンセプトが認証され、次のステップへと踏み出すこととなった。両グループは、ILC加速器と同じタイムスケールで、2012年に技術的設計を準備する。「長年にわたるR&Dと設計検討を基盤とし、研究者グループはILC物理への2つの相補的なアプローチを構築しました。やることはたくさん残っていますが、これは重要なマイルストーンでした」と、Jim Brau氏(リニアコライダー物理・測定器国際研究組織(WWS)の共同議長であり、米州地域測定器コンタクト)は語る。
2009年はレビューばかりだけではなく、2007年の基準設計報告書(RDR)にある加速器の基本設計を再考し、『ミニマムマシン』、AD&I(加速器設計と統合)、ストローマンベースライン2009、などといった面白い名前で呼ばれる、新提案への取り組みをおこなった年でもあった。ILC加速器の行う物理の展望は堅持しつつも、性能改善、コスト低減をもたらす設計変更については、今週号のPeter Garbincius氏のディレクターズ・コーナーを参照されたい。これらの提案には、来年初めに検討が加えられ、GDEは、次の夏にパリで開催されるICHEP2010会合で設計の変更決定を発表し、2012年末の技術設計報告書(TDR)発表へとつなげていく。
人は皆持ちつ持たれつ。ILCも一緒だ。ILCの仕事は、異なる地域や国々での科学方針とそれに取り組んでいる2000もの人たちによるものである。現在のエネルギー記録を更新したCERNのLHCは、素粒子物理学分野の将来を決定するうえで不可欠な役割を演ずるだろう。2つの次世代電子-陽電子コライダーであるILCとCLICは、合同の作業チームをつくり、各々の運営委員会の専門家の交流を開始した。R&Dステージとしては異なる段階にはあるが、ILCとCLICには、多くの共通する研究領域があり、今年開催されたワークショップや来年に計画中のワークショップでは、これの点が強調された。Brian Foster氏(欧州地域ディレクター)は、このCLICとの共同研究を今年の最も重要な展開の一つとして以下のように言う。「CLIC運営委員会のメンバーに加わったことで、非常に興味深い、啓発を受ける経験をしました」予算に関しては、良いニュースと悪いニュースの両方があった。米州地域ディレクター、Mike Harrison氏は、「2008年度の米予算での後退の後、私たちは、2009年~2012年のTDRフェーズの予算支援に向けて、米国エネルギー省と の合意に到達した」ことを喜ぶ。日本は、4月、自民党政権で、日本におけるリニアコライダー活動に多額の補正予算が割当てられたのに対して、10月には、 政権交代により、その補正予算の取り消しがあった。高エネルギー加速器研究機構(KEK)の研究者、峠暢一氏によれば、ここから得られる教訓は、「どのよ うな状況にもスムーズに対処するためには、いろいろな時間スケールとスピードに対応する、複数の開発戦略を引き出しに持っておかなければならない」という ことだ。
出版物(たとえばこちら)のなかには、いくつかの興味深い記事がある。ILC NewsLineチームは、第200号を発行し、計画の概観の記述や、測定器、電子クラウド、技術移転の特集も行った。研究グループは、日本のつくば、米 国のアルバカーキ、FLASHコントロールルームで会合を行い、チームは、これまでにILC実機にさらに近づいた実証研究を行った。米国と日本の試験設備 は、大きく前進し、1メートルにつき32メガボルト以上の加速勾配に到達した最初のクライオモジュールも出現した。関連分野では、LHCの運転が再開し、 ドイツ電子シンクロトロン研究所(DESY)が50周年を祝い、欧州X線自由電子レーザーの建設が始まり、Barack Obama大統領の米国で加速器の将来を見据えたシンポジウムが開催された。さて、あなたにとってはどのイベントが、タイム・トラベルの中でよみがえったでしょうか?
ILC NewsLineチームは、2週間お休みし、2010年1月7日号から再開します。読者のみなさんよい新年を。2010年もよいお年を。
[英文記事]
■ディレクターズ・コーナー
ストローマンベースライン2009報告書の準備と新ILCコスト見積りツール
(Strawman Baseline 2009 Report preparations and the new ILC Cost Estimating Tool)
今号は、GDEコストマネージャー、Peter H. Garbincius氏の執筆である。
時候のご挨拶を申し上げます。
私たちは、現在、総コスト低減を目標にSB2009提案を準備しており、次のILCベースラインに向けて、施設の最適化や加速器性能の改善に取り組んでいる。SB2009提案は、GDEプロジェクト・マネジャーであるMarc Ross氏、山本明氏、Nick Walkerの指導の下、峠暢一編集長(現場の鬼取締役である)とともに作成している報告書に取りまとめられる予定。1月初め、SB2009は、オックスフォードで加速器諮問委員会の審議にかけられることになっている。SB2009提案のなかのどの項目が採用され、GDE技術設計フェーズ2(TDP-2)に向けた新ベースラインに盛り込まれるのかについての最終決定は、Barry Barish(ILC GDEディレクター)がおこなう。TDP-2では、2012年までに技術的な設計、予備工程表と新しいコスト評価が作成される。
SB2009のコンセプトは、2008年11月に文書化されたミニマムマシン研究、2009年5月にDESYで開催されたAD&I会合、ついで9月末から10月前半にアルバカーキで開催されたALCPG09を経て検討されてきた。この12月の第一週にはDESYで会合が開かれ、各加速器の領域システム、高周波(RF)空洞R&D、新しい一般施設コンセプト設計への入力、コストへの影響などを検討し、SB2009文書を章毎に吟味した。
もちろん、設計変更によって加速器施設の科学研究のポテンシャルを損なったり、計画遂行上のリスクを増大したりするようなことはできない。アルバカーキで提示されたSB2009素案について、ILCリサーチ・ディレクター(RD)とWWSのリーダーは質問リストを寄せられた。質問事項のいくつは、本記事の後ほどに触れる。世界各地からDESY会合に集まったおよそ30人の参加者のうち、7、8人は、ILC測定器と物理学研究者グループからの代表者であり、DESY会合での一部議題は、RDとWWSからの質問に関するものであった。これらの質問に対するGDEの回答は、RDとWWSのリーダーに最近送られたところだ。
SB2009提案の中身はどのようなものか?
2008年3月に仙台で開催された会合では、RDRの周長6.7キロメートルの六角形のダンピングリングを、周長6.4kmの競技場トラックの形状をしたものに変更し、バンチ長を短くして、ring-to-main-linac (RTML) でのバンチ・コンプレッサを二段式でなく一段式で済むようにすることが提案された。これにより、主線形加速器が始まる前の上流部分で必要となるクライオモジュール数とトンネル長を削減し、またビーム調整のために必要となる5GeVポイントでのビームダンプ(一時的にビームをせき止め、下流部分にビームが進まないようにする装置)の実装数を削減することができる。
主線形加速器でサポートトンネルを廃止し、一本のトンネルだけを使ってクライオモジュールにRF電力を分配する方式としては、二つの新しいアプローチが提案された。これらについては、過去のディレクターズコーナーでBarry Barish氏が解説している。これらによれば、いずれでも最大26キロメートルまで、地下トンネルの総延長を縮減することができる。
低電力アプローチとは、電子と陽電子バンチ数を半分に減らすことで、RFシステムの運転で相当なコスト削減を行うものである。しかし、RDR水準のルミノシティを維持するためには、ビーム-ビーム相互作用パラメータを選び直す、または、これまでに前提してこなかった「トラベリングフォーカス」を採用する、などの必要が生ずる。測定器と物理の代表者は、低電力アプローチで衝突点に想定されるビームの性質パラメータ、安定度、バックグラウンド状況について、質問を寄せている。
低電力アプローチでは、ダンピングリングの周長を6.4kmから3.2kmに縮小して、さらにコスト減を図ることが可能である。この場合、ダンピングリング中のバンチ間隔はRDRでのフル電流と同じに保たれるので、高速キッカーの仕様、電子雲軽減のために必要な対策は基本的に変わることがない。
また、電子源、陽電子源、ビームの最終収束系、ダンピングリングから中央入射器総合ビルへの入射/ビームの取出しラインなどについて配置最適化を行うことで、地下トンネルの総延長をさらに4km低減することができる。これは、地下からの掘削量にしておよそ2,800m3の削減に対応する。
アンジュレータ・ベースの陽電子源に関しても多くの変更が検討されている。陽電子生成標的の直後で陽電子を集めるフラックス・コンセントレータのかわりに四分の一波長変成器(Quarter Wavelength Transformer - QWT)を採用するのはその一例である。QWTは陽電子の収集能力に若干劣るのでRDRと同じビーム強度を得るためにアンジュレータ全長を長くする必要があるが、フラックス・コンセントレータに比べて技術的リスクは大幅に軽減される。RDRでの補助陽電子源に代わってはより簡易化したシステムが考案され、共通の生成標的、ビームダンプ、陽電子収集系を使うことでシステムの単純化とコスト減を図っている。陽電子源を電子主線形加速器の下流端に移動する件では、これによって高エネルギー領域の陽電子生成効率は改善する。また、一般に、250GeVよりも低いビームエネルギーでの運転をおこなうさい、電子線形加速器の一部で減速運転をおこなう必要性は無くなる。しかし、150GeV(RDRの陽電子生成の公称点)以下では電子エネルギーの陽電子性能歩留まりを維持するためには、RDRとは異なる運転シナリオが要求される。電子主線形加速器の下流端に陽電子源を置くことの効果として、最後に、アンジュレーターと直下流のビーム収束系とでの加速器へのビーム保護対策を一まとめに行うことができる、という利点が挙げられる。これによって、トンネル・スペースとビームライン部品の節約の両方が可能となる。しかしながら、低エネルギー領域での陽電子のビーム強度、これに伴うルミノシティへの影響ほかは、測定器と物理学研究者グループが依然として懸念とするところである。
これらの変更案は、いずれも、コスト、稼働率、信頼性、全体的なルミノシティ、ビームパラメータ、運転の安定性、測定器環境に関しても影響を及ぼすものである。SB2009活動におけるGDEコストマネージャーとしての私の仕事は、可能性のある全てのシナリオについて、そのコスト影響を集約することだ。現状、SB2009に伴うコスト評価のバリエーションには26ステップがある。プロジェクト・マネジャーとAAPレビュー委員会は、より多くの詳細な情報を要求することが考えられ、そうするとこのステップ数は更に増えるであろう。なお、これらの設計変更は、コストの絶対値を下げることだけを念頭に考えてのものではない。RDRは過去のある時点でのスナップショットにすぎず、これが完璧なデザインでないのは想定内のことであり、TDP-2ではより高レベルの設計に仕上げていくことを前提としているものである。設計やコスト算出モデルの展開に応じて、TDP-2でコスト増が発生する可能性は大いにある。現段階でのコスト削減は、こうした将来のコスト増に対するバッファーを準備するものでもある。アルバカーキ、DESY、オックスフォード会議、SB2009報告の準備に打ち込んだ、加速器専門家、従来施設、技術システムスタッフの、貢献と尽力に感謝したい。
DESY会合の際、私たちの多くは、DESYの情報技術グループを訪問し、新型の三次元仮想現実ディスプレイのデモを見学した。このグループはILCトンネル、米国フェルミ国立加速器研究所(Fermilab)研究棟、欧州X線自由電子レーザー(XFEL)などの施設を可視化して設計開発を支援するシステムを開発している。デモは、設計対象の実物大のイメージ化を提供するので、設計段階で機材の空間配置を分析し、問題を未然に防止するうえで非常に有効であることが期待される。ILCほかの大規模プロジェクトでの強力なツールとなることは明らかだ。デモを見せていただいた、Lars Hagge氏、Jens Kreutzkamp氏、Nils Bergel氏にお礼申し上げます。
11月中頃に、トライアドプロジェクトマネジメントサービスは、ILCコスト見積りツール(ICET -「アイスティー」と発音)のために14ヵ月間おこなってきた作業を完了した。これは2008年夏に、Tom Himel氏、John Carwardine氏と私で、初期仕様を策定したものである。トライアド・チーム(Larry Lew氏、Kevin Long氏、Spencer Curtis氏)によるこのツールは、ワーク・ブレークダウン・ストラクチャ(WBS)に従って関係づけられた一連のExcelファイルをコアとし、適切なアクセス保護をかけつつ、使いやすいメニューによって、関連するデータをILCの工学データ管理システム(EDMS)に保存・管理し、検索も可能とするものである。既存のスクリプトの修正、新しいカスタム・スクリプト、ILC-GDEユーザーによる報告書の作成を容易にするため、スクリプト言語としてはVisual Basic を採用した。6つのフォーマット済みのExcel報告書のほか、コストの積算データは、MySQLデータベースに保存されている。トライアドでは、詳細な保守・使用説明書も整備した。ICETコスト見積りモジュール(Excelワークシート)のデータについては、通常の内容説明、数量、単価、人的資源などのフィールドの他には、外国為替、エスカレーション、コストのリスクや不確実性、仕分けタグ、WBSでのグループコスト要素、データベース、Excel報告段階、一連の妥当性のチェック、データ入力なども記載されるようになっている。
ICETは、試験用の疑似データと実際のコストデータの一部を使って運用試験が行われた。SB2009提案書の完成後に予定されている、最初の実地運用は、RDR時点でのコスト評価データをICETに載せることである。そのあと、SB2009評価のデータを載せていく。これらに際しては、ICETフォーマットに従った形でのコストデータが加速器システム、技術システム、全体システムの各グループから寄せられることを期待している。
上に挙げた人々のほか、ILC-GDEの設楽哲夫氏、Maura Barone氏、Kevin Flannery氏、David Seigle氏(相当な量のデバギング、検証、スクリプトと報告書の作成をしてくれた夏期実習生)、そして、DESY-EDMSのLars Hagge氏、Daniel Szepielak氏、Jasper Dammann氏が、このTriad-EDMS-ILCの仕事を支えてくれた。
みなさまよい休暇を!
[英文記事]
ディレクターズ・コーナー・バックナンバー■ブログライン
10 December - Frank Simon
High Speed and Low Tech
■カレンダー
今後の会議、ミーティング、ワークショップ
Low Emittance Rings
2010 (LER2010)
CERN
12-15 January 2010
今後のスクール
The US Particle Accelerator School
sponsored
by the UC Santa Cruz
Santa Cruz, CA, USA
18-29 January 2010
■ニュース記事
From STFC
16 December 2009
2010-2015年の科学プログラムの優先順位化
「英国科学技術施設庁は、世界の主要な学際的科学技術において、5年で総額240億ポンドにのぼる施政方針を発表した。厳しさを増す現在の財政環境下で、英国にとって最大限の科学的、社会的、国際的、経済的な利益を得ることをめざす・・・」
[英文記事]
From KEK
15 December 2009
行政刷新会議による事業仕分けの影響についてのご意見をありがとうございました
2009年12月1日、KEKは、行政刷新会議による事業仕分けに関して皆様のご意見募集の声明を発表した
[英文記事]
From Symmetry breaking
10 December 2009
CERNは、高エネルギー物理学の50周年を祝う
「・・・Rolf Heuer所長は、式典初日の終わりに、LHCアップグレードとILCやCLICをはじめとする次世代コライダーなどの展望を述べ
[英文記事]
From DESY
9 December 2009
Fermilab-DESY共同研究グループでマイルストーン:完成した第三調波モジュール
「...モジュール全体の初試験では、DESYとFNALで開発・据え付けされた装置が必要仕様通りの性能を持つことが確認された」
[英文記事]
■アナウンス
◇NewsLineの休暇スケジュール
NewsLineは、2週間お休みします。次号は2010年1月7日に発行します。よい休暇を!
◇arXiv preprints
0912.2411
Discovering Sbottom Co-annihilation at ILC
0912.1082
Measurement of Γee(J/ψ) x
BR(J/ψ→e+e-) and
Γee(J/ψ) x
BR(J/ψ→μ+μ-)